第43回ミラノ・ウニカ開催、クラフトマンシップやものづくりの価値を発信

(イタリア)

ミラノ発

2026年07月23日

テキスタイルの国際見本市「第43回ミラノ・ウニカ(MILANO UNICA2027/28秋冬コレクション」が779日、イタリアのミラノで開催された。主催者の発表によると、欧州からの出展企業数は、20257月開催の2026/27秋冬コレクションに比べて15.2%増加した。海外来場者の比率は初めて50%近くに達した。欧州最高峰のテキスタイル展示会として、国際的な存在感をさらに高めたことがうかがえる。海外から参加したバイヤーの数も、国別でフランスが2026/27秋冬コレクションより25%増、韓国も22%増と大きく増えたほか、日本も14%増と存在感を示した。そのほか、米国は8%増、英国は10%増、中国とドイツは横ばい、イタリア国内からの参加は微減だった。

今回のクリエーティブコンセプトは「MU IS PUNKHANDCRAFT IS PUNK!」。大量生産や画一化への静かな抵抗として、クラフトマンシップや唯一無二のものづくりの価値を再認識するメッセージが打ち出された。また、開会式に催されたパネルディスカッションでは、イタリア国内の繊維産業を支える中小・零細企業において、人工知能(AI)を導入するか否かなどについても議論された。

また、「サステナビリティー」はもはや特別なテーマではなく、素材開発の前提条件となっている。見本市会場内のトレンドエリアでも、リサイクル原料や環境負荷を低減する加工技術の採用は当然となり、その上で素材そのものの独自性や高い付加価値が求められている。出展企業の経営者は、「本当のサステナビリティーとは、長く使い続けたいと思われる価値ある素材を生み出すことだ」と語り、環境配慮と価値創造の両立の重要性を強調した。

写真 第43回ミラノ・ウニカのトレンドエリア(ジェトロ撮影)

第43回ミラノ・ウニカのトレンドエリア(ジェトロ撮影)

ジャパンブースの取り組みも来場者の関心を集めた。和歌山ニット産地のものづくりの現場をバーチャルリアリティー(VR)で体験できる展示を実施し、職人の技術や製造工程を視覚的に伝えるコンテンツが高く評価されていた。和歌山ニット企業の出展者は、「言葉の壁があっても、ものづくりの価値は伝えられる」と語り、機能性やデザインだけでなく、容易に模倣できない技術や背景にあるストーリーを発信することが、国際市場で競争力を高める重要な要素となっていることを示した。

写真 ジャパンブースのTrend & Indexコーナーには多数のバイヤーが訪問(ジェトロ撮影)

ジャパンブースのTrend & Indexコーナーには多数のバイヤーが訪問(ジェトロ撮影)

写真 和歌山ニット産地の現場をVRで体験(ジェトロ撮影)

和歌山ニット産地の現場をVRで体験(ジェトロ撮影)

次回のミラノ・ウニカは、2027年2月2~4日に2028年春夏コレクションを開催予定。

(田中浩之、平川容子)

(イタリア)

ビジネス短信 472dbd69c6807513