米国国土安全保障省、留学生・外国報道関係者のビザ滞在期間を制限する最終規則を公表

(米国)

ニューヨーク発

2026年07月22日

米国国土安全保障省(DHS)は7月16日、留学生や外国報道関係者向けのビザの滞在期間を制限する最終規則を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、翌17日に官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで公示した。本最終規則はF、J、Iビザ(注1)の保有者を対象とし、これらのビザを永住権取得への「橋渡し」ではなく、あくまで一時的な滞在資格として位置付けることを目的としている。これまで留学生は、学業において適切な進捗が認められる限り、米国内に滞在することが認められていた。

DHSの発表によると、主な措置は次のとおり。

  • 留学生(Fビザ)や研究生(Jビザ)の滞在期間は、参加するプログラムの期間に限定し、最長4年とする。
  • 学業または研究・文化交流プログラムの継続のために追加の滞在期間が必要な場合、プログラムを所管する大学や研究機関ではなく、米国市民権・移民局(USCIS)を通じて滞在期間の延長を申請する。
  • 卒業後の出国準備期間(グレースピリオド)を60日から30日に短縮する。
  • 滞在期間中のプログラム変更に関する規則を厳格化する。
  • 報道関係者(Iビザ)の滞在期間を、原則5年間から最長240日間に短縮する。中国本土の旅券保有者については、最長90日間に制限する(注2)。

現在対象となるビザを保有している者は、自動的に新たな制度へ移行する。本最終規則は2026年9月15日に発効する予定だが、議会審査の結果により変更される可能性がある。

本規則は、2025年8月に公表された規則案を修正するものとなる。パブリックコメント期間中、DHSは約2万2,000件のコメントを受け付けた。その中には、不正行為や滞在超過の防止、国家安全保障の強化につながるとして本規則を支持する意見がある一方で、米国での就職やキャリア形成がより困難になり、留学生に悪影響を及ぼすとして反対する意見も寄せられた。

一方で、本規則については、国際的な優秀人材を引き付ける米国の競争力を損なう可能性があるとの批判もある。特に、修了までに4年以上を要するプログラムに在籍する留学生は、予定どおりに学業を修了できるか不透明な状況に置かれることになる。また、米国移民評議会によると、USCISでは現在約1,165万件の未処理案件が滞留しており、案件処理に要する期間は13.8カ月と試算されていることから、事務手続き上の負担増を懸念する声もある。さらに、滞在期間の延長申請について、USCISがどの程度厳格な基準で審査を行うのかは現時点で明らかではない。

本規則により、米国へ渡航する留学生数の減少が見込まれ、留学生が米国経済やイノベーション創出に果たしてきた役割への影響を懸念する声も上がっている。全米政策財団(NFAP)によると、米国のユニコーン企業(注3)の約4分の1は、留学生として渡米した人物が創業に関わっている。また、国際教育交流団体(NAFSA)によると、留学生は2024~2025年度に米国経済へ約429億ドルの経済効果をもたらした。

(注1)Fビザは留学生向けの学生ビザ、Jビザは研究・文化交流プログラムの参加者向けビザ、Iビザは外国報道者向けのビザ。

(注2)Iビザ保有者も延長申請は可能。

(注3)企業価値が10億ドル以上のスタートアップ企業のこと。

(大垣ジャスミン)

(米国)

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