オーストリアのパイプ製造大手アミブル、モロッコ工場の生産能力を拡大

(モロッコ、オーストリア)

ラバト発

2026年07月31日

オーストリアのガラス繊維強化プラスチック(GRP)製パイプシステム大手のアミブル(Amiblu)は6月30日、モロッコのヌアスールで第3生産ラインの開所式を実施した。式典には、リヤド・メズール産業・貿易相、駐モロッコ・オーストリア大使、アミブルグループおよび同社モロッコ法人の経営陣らが出席した。今回の投資額は1,520万ユーロで、モロッコや周辺アフリカ諸国で高まる水インフラ需要への対応を図る。

アミブル・モロッコ(Amiblu Maroc)は、飲料水供給、海水淡水化、灌漑、産業用途向けのGRPパイプを製造する同グループの主要生産拠点の1つだ。新ラインの稼働により、年間生産能力はDN800換算(注)で660キロメートルに拡大し、生産可能な最大管径はDN2600からDN3200へ引き上げられた。また、継手(フィッティング)の生産能力も50%増強された。投資には新たな試験設備、継手製造設備、フィッティング工場の拡張、生産棟・管理棟の整備、物流施設の改修、従業員向け施設の整備、および将来開設予定の「GRP Academy」への投資なども含まれる。

アミブルのウォルフガング・シュタンガッシンガー最高経営責任者(CEO)は、水インフラが世界各地の地域社会や産業活動にとってますます重要になっていると指摘した上で、今回の投資により、顧客に対して十分な製造能力と技術力、地域密着型の支援体制を提供できると述べた。

同社によると、モロッコでは飲料水輸送や海水淡水化、灌漑、産業用水分野への投資が拡大している。今回の能力増強によって、アミブル・モロッコはモロッコ国内市場に加え、西アフリカおよび一部東アフリカ向け供給拠点としての役割も強化する方針だ。また、ノルウェーに所在するグループの技術・研究開発センターの支援を活用し、水理設計や構造設計、材料技術、施工支援などの総合的な技術サービスを提供する。

アミブル・モロッコのオマール・ベンヤヒア社長は、今回の投資は単なる生産能力拡大ではなく、設計から試運転まで戦略的な水インフラプロジェクトを支援する体制強化であるとし、モロッコの専門人材とグループの国際的な技術力を組み合わせることで、長期的に信頼性の高い水インフラ整備に貢献していく考えを示した。

また、リヤド・メズール産業・商業相は、この投資がモロッコの産業高度化戦略および海水淡水化関連産業エコシステム形成を目指す国家戦略に合致するものであり、産業主権の強化や現地調達率向上、水資源安全保障への対応に貢献すると評価した。

(注)DN800とは、パイプのサイズを表す規格の1つで、DN=Diameter Nominal(呼び径)が約800ミリメートル(㎜)あることを意味する。DN2600であれば、管径が約2,600㎜となる。

(鈴木優香)

(モロッコ、オーストリア)

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