シェインバウム大統領、パナマのムリーノ大統領と会談
(メキシコ、パナマ)
メキシコ発
2026年07月23日
メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は7月15日、パナマのホセ・ラウル・ムリーノ大統領とメキシコ市で会談し、両国の共同声明
を発表した。
共同声明では、メキシコのテワンテペック地峡両洋間物流回廊(CIIT)とパナマ運河が、物流・国際貿易・サプライチェーンの接続性を強化するための戦略的プラットフォームとして相互に補完することを強調した。また、鉄道分野におけるノウハウの共有を含め、交通・インフラ分野での協力を拡大することで合意した。さらに、両首脳は、1977年の「パナマ運河の永久中立および運営に関する条約(パナマ中立条約)」に基づき、パナマ運河の永久中立体制が依然として有効であり、パナマ運河に対するパナマの完全な主権を再確認した。
地域レベルにおいては、ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)を各国間の対話、合意形成、協力の場として強化することの重要性を再確認した。また、シェインバウム大統領は、ラセンウジバエ(注)を根絶するための両国間の協力事例として、パナマのパコラにある工場をモデルとしたチアパス州メタパ・デ・ドミンゲスに開設されたバイオ工場を挙げ、ムリーノ大統領に感謝の意を伝えた。
パナマ外相はインドともパナマ運河の中立性を確認
パナマのマルチネス・アチャ・バスケス外相は7月20日、インドを訪問し、パナマ中立条約への加盟を正式に要請した。バスケス外相は、「運河の中立性はわが国の基本原則の1つである。運河は区別なく全ての国々に奉仕しており、パナマはその責務を絶対的な責任感を持って果たしている。われわれの目標は、世界貿易のために開放的で効率的かつ安全な運河を維持することだ。われわれは国際法を尊重しており、全ての国にも同様の対応を期待している。その意味で、インドもまた、これらの原則を推進する上で重要なパートナーとなり得る」と強調した。
パナマ運河については、米国のドナルド・トランプ大統領の「パナマ運河の支配権を取り戻す」旨の発言を発端に、中国政府も関与を強めるなど、米中対立の火種となる可能性を抱えている。パナマ政府としては、主権の維持や安全保障の観点から、パナマ運河の中立性支持を各国に求めているとみられる。バスケス外相はインド訪問につづき、7月21~24日にフィリピンで開催されるASEAN外相会議にも出席する。
(注)ラセンウジバエは、生きた牛や馬などの家畜・動物の皮膚や傷口に寄生し、その幼虫は寄生先の肉を食い荒らしながら成長する。ラセンウジバエの影響を抑えるため、放射線で繁殖不能にしたラセンウジバエを大量に生産する工場が、チアパス州メタパ・デ・ドミンゲスの工場であり、2026年7月2日に開所式が行われた。ラセンウジバエのメキシコでの発生を受け、2025年5月に米国はメキシコからの生きた牛・馬などの輸入を禁止していた。
(阿部眞弘)
(メキシコ、パナマ)
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