イタリア高速鉄道会社イタロ、2028年にドイツ高速鉄道市場へ参入、36億ユーロ投資

(ドイツ、イタリア)

ベルリン発

2026年07月30日

イタリアの高速鉄道運営会社イタロ(Italo)は7月20日、2028年半ばよりドイツで高速鉄道サービスを開始する計画に総額36億ユーロを投資すると発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ミュンヘン-ケルン-ドルトムント間およびミュンヘン-ベルリン-ハンブルク間を毎日50便運行する。

ドイツの長距離旅客鉄道市場ではドイツ鉄道(DB)を含む連邦所有鉄道会社による輸送が2025年の輸送実績ベースで92%のシェアを占めた。鉄道市場を管轄する連邦ネットワーク庁によると、新規参入事業者は車両への多額の投資を必要とする一方、十分な線路使用枠を確保できるか見通しにくい状況にあった。

こうした状況を背景にイタロは1月、連邦ネットワーク庁に対し、線路使用枠の配分ルールについて申し立てを行い、新規参入事業者が不利益を被らないような規定の導入を求めた。これを受け同庁は7月17日、DBグループの長距離旅客鉄道事業会社DB Fernverkehrの競合事業者の市場参入条件に関する最終決定を公表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同決定によると線路使用枠の上限が設定された混雑区間で利用希望が競合した場合、鉄道インフラを管理するDBのグループ会社DB InfraGOは、長距離旅客鉄道向け線路使用枠の60〜75%を超えて1社に割り当てることができなくなる。これにより少なくとも1社の競合事業者に運行機会が確保され、同措置は2028年ダイヤから適用予定となっている。

同決定直後の20日、イタロはドイツ事業向けに総投資額を36億ユーロとする計画を発表した。約30億ユーロはシーメンス・モビリティーからの高速鉄道車両26編成の調達と30年間の保守サービス契約に充てる。車両は8両編成で最高時速320キロ。このほか駅およびITインフラへの投資、運行部門と関連産業における約2,500人の採用・訓練などが含まれる。

イタロのジャンバティスタ・ラ・ロッカ最高経営責任者(CEO)は5月のニュースメディア「テーブル・メディア」(5月30日)のインタビューで、イタリアの鉄道市場では、イタロが新規参入したことによって、運賃が平均で40%低下し、需要が2倍超に拡大したと説明し、ドイツでも競争の進展によって需要拡大の可能性があると指摘していた。

一方、公共放送ARD「ターゲスシャウ」(6月14日)は、州交通相会議の議長を務めるバイエルン州のクリスティアン・ベルンライター住宅・建設・交通相が、大都市間の採算性の高い路線だけを重視する「いいとこ取り」は各州交通相の支持を得ていないと述べ、地域の中核都市が長距離旅客鉄道網から切り離される事態への懸念を示したと報じている。

(打越花子)

(ドイツ、イタリア)

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