ナイジェリア、暗号資産評議会を設置、規制調和へ

(ナイジェリア)

ラゴス発

2026年07月30日

ナイジェリアのボラ・ティヌブ大統領は7月17日、暗号資産の規制調和を目的とする「2026年暗号資産調整に関する大統領令」に署名した。大統領令は即時発効し、これに基づき、ナイジェリア中央銀行(CBN)、ナイジェリア証券取引委員会(SEC)、ナイジェリア歳入庁(NRS)など関係機関の連携を強化し、暗号資産市場の規制・監督体制の調整を進める。

同国はこれまで、暗号資産市場を正規の金融システムに組み込む方向で制度整備を進めてきた。具体的には、2022年のSECによるデジタル資産規制の整備、2023年12月の「暗号資産サービスプロバイダー(VASP)の銀行口座運用ガイドライン」の公表、2024年のSECによる暗号資産事業者向け登録・インキュベーション制度の導入などが挙げられる(2025年3月発表調査レポート参照)。今回の大統領令に基づき、CBNを議長、NRSとSECを副議長とする「暗号資産評議会(Virtual Asset Council)」が設置される。同評議会にはナイジェリア金融情報機関(NFIU)や国家安全保障顧問室(ONSA)も参加し、暗号資産に関する政策立案や情報共有、監督機関間の調整を担う。

また、CBN内には評議会の実務機関として「暗号資産事務局(Virtual Asset Office)」が設置され、情報共有、登録申請、報告業務の調整を行うほか、関係当局が共通して利用する監督プラットフォームの運営を支援する。バヨ・オナヌガ大統領特別補佐官(情報・戦略担当)は、この大統領令について「新たな規制当局を創設したり、既存機関の権限を移転したりするものではない」と説明した。その上で、事業者に規制上の確実性を与え、公衆の保護を図るため、登録制度は資産や事業活動の性質に応じて運用されると強調した。各機関の既存権限は維持され、証券性を有するデジタル資産はSECが、決済・送金・保管など証券に該当しない暗号資産サービスはCBNがそれぞれ所管する。所管が明確でない案件については、評議会が判断する。

さらに、CBNは暗号資産分野向けのレギュラトリー・サンドボックス(注)を導入し、関係当局が新サービスの金融安定性や消費者保護への影響を検証できる環境を整備する。NRSも暗号資産分野に特化した税務方針を公表する予定だ。2026年施行の新税法と合わせて、暗号資産取引に関する課税ルールの具体化が進む見通しだ。

(注)新たな金融商品やサービスについて、本格的な認可に先立ち、規制当局の監督下で限定的に試験運用を認める制度。

(奥貴史)

(ナイジェリア)

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