PPWR対応に向け包装材データを可視化、JRCがEU市場の投入量を推計

(EU)

調査部欧州課

2026年07月27日

欧州委員会共同研究センター(JRC)は7月6日、EU加盟19カ国を対象に消費財向け包装材の市場投入量を推計した報告書を公表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。食品・飲料に加え、ホームケア、化粧品・パーソナルケア、ペットフードを対象とし、欧州の消費者向け包装市場の約75%をカバーする。

報告書によると、2024年に対象19カ国で市場投入された包装材は推計4,280万トンだった。内訳はガラスが3,230万トンと全体の約75%を占め、プラスチック590万トン、金属230万トン、紙(液体用紙容器を含む)210万トン、複合材約10万トンだった。

プラスチック包装材は1人当たり平均約14キログラムで、国別ではスウェーデンで約8キログラム、ドイツで約16キログラムと差がみられた。食品・飲料分野ではPET(ポリエチレンテレフタレート)が最大の構成素材となり、飲料用ボトルでの利用が多いことが背景にある。一方、ホームケアやパーソナルケア分野では高密度ポリエチレン(HDPE)の利用割合が高かった。

2011年から2025年までの推移をみると、包装材総量はおおむね横ばいで推移した。ガラス包装は2020年に一時減少した後に回復した一方、プラスチック包装は期間中に約11%増加した。

また、包装材の利用動向にも変化がみられた。イタリアのミネラルウオーター市場ではガラスからPETへのシフトが進んだ一方、ブルガリアではPETからガラスへの移行が確認された。フランスの牛乳包装では液体用紙容器やHDPEからPETへの移行傾向がみられるなど、包装材の選択は国や製品によって異なる。

JRCは今回の推計手法について、EUの包装・包装廃棄物規則(PPWR)の下で加盟国が実施する包装廃棄物の報告やリサイクル目標の達成状況の検証に活用されるとしている。報告書では、包装材重量と販売量を結び付ける係数も公表しており、詳細な包装データがない場合でも包装材使用量の推計が可能としている。

PPWRについては、ジェトロ特設ページ「EU包装・包装廃棄物規則(PPWR)関連情報」も参照されたい。

(伊尾木智子)

(EU)

ビジネス短信 1c407cbade592e65