バイオ・ヘルスケア分野の海外スタートアップ8社、大阪で日本企業と関係構築

(日本、英国、カナダ、スペイン、フランス、ベルギー)

大阪本部イノベーション課

2026年07月28日

ジェトロと大阪府は「WHX Osaka」(注1)などの開催に合わせ、海外のバイオ・ヘルスケア分野のスタートアップ(SU)8社(注2)を6月末から約1週間、大阪に招聘(しょうへい)した。大阪・関西へのヘルスケア分野の海外企業誘致が目的。8社はイベント会場内外で日本の企業や大学との商談やピッチを行い、企業や大学、研究機関、中之島クロスなど大阪のヘルスケアエコシステムを視察した。今回のプログラムを通じ、延べ100件以上の商談が実施され、将来の連携に向けた関係構築が進展した。

ジェトロは大阪を世界的なライフサイエンス拠点とするため、大阪・関西企業と外国企業とのマッチング機会を創出し、域内への投資促進や地元企業の海外展開を支援している。今回招聘した海外SUは7月1日、大阪府が主催するヘルスケア分野の国内外企業向けマッチングイベント「HealthX Connect Osaka 2026」(注3)で個別面談やピッチを行った。200人以上が来場した本イベントでは、国内外機関によるセミナーやネットワーキングも実施され、参加した企業・機関にとり幅広い交流の場となった。

このほか、海外SUは招聘期間中、関西の医療関係者、アカデミア、ベンチャーキャピタル、製薬企業などと精力的に面談した。また、関係機関との意見交換を通じて、日本と海外の医薬品承認プロセスの違いや、大阪のライフサイエンス分野における産業集積について理解を深めた。海外SUからは、「多くの日本企業や研究機関と接点を持つことができ、共同研究など今後の展開につなげたい」「大阪の充実したヘルスケアエコシステムを実感し、日本への投資をより具体的に検討できるようになった」といった声が聞かれた。ピッチイベントに参加した日本企業は「関心分野の海外企業と会うことができて良かった」と将来の事業連携に関心を示していた。

写真 WHX Osakaにてピッチを行う海外スタートアップ(ジェトロ撮影)

WHX Osakaにてピッチを行う海外スタートアップ(ジェトロ撮影)

写真 HealthX Connect Osaka 2026での個別面談の様子(ジェトロ撮影)

HealthX Connect Osaka 2026での個別面談の様子(ジェトロ撮影)

(注1)日本の先端医療技術とサービスを発信する国際展示会・カンファレンスとして、2025年に大阪・関西万博と連携して初開催。2026年は「WHX Osaka」と称して、万博の理念を継承し、展示やカンファレンスを通じて医療の未来を示すグローバルプラットフォームとして開催された。

(注2)招聘した企業・団体は次のとおり。

  • CanSense(本社・英国):人工知能(AI)と分光技術を活用した血液検査により、大腸がんの早期発見を目指すバイオ医療系スタートアップ
  • CellProthera(本社・フランス):心筋梗塞後の心臓組織再生などを目的とした幹細胞を用いる再生医療を開発するバイオテクノロジー企業
  • Myomar Molecular(本社・カナダ):筋肉の健康状態や萎縮の早期兆候を検知・モニタリングするバイオマーカー診断技術(特に尿検査)を開発するヘルステック企業
  • NETRI(本社・フランス):神経細胞とAIを組み合わせた「臓器オンチップ(organs-on-chip)」技術により医薬品の効果や安全性を予測するバイオテック企業
  • REVEAL GENOMICS, S.L.(本社・スペイン):乳がんをはじめ、がん患者に最適な治療選択肢を提供するためのゲノム診断技術を開発するバイオテクノロジー企業
  • SwiftPharma(本社・ベルギー):植物をバイオリアクターとして活用し、ワクチンや抗体などの動物由来でない医薬用タンパク質を低コスト・持続可能に生産するバイオテック企業
  • Viamab Therapeutics(本社・英国):RAGE標的抗体薬物複合体(ADC)を開発し、大腸がんを中心に固形腫瘍の治療に取り組む前臨床段階の創薬バイオ企業
  • ZILIA(本社・カナダ):分光技術とAIを用いて眼内の酸素飽和度などのバイオマーカーを非侵襲で測定し、眼疾患や全身疾患の早期診断を目指す医療テクノロジー企業

(注3)大阪・京橋のオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE」で開催。WHX Osakaに合わせて来阪する各国のヘルスケア、バイオテクノロジー、製薬業界の関係者に、対面での商談機会を提供。

(大林芳子、石井英久)

(日本、英国、カナダ、スペイン、フランス、ベルギー)

ビジネス短信 1b2908db67727e90