米IT大手オラクル、モロッコ第2の研究開発拠点をアガディールに開設

(モロッコ、米国)

ラバト発

2026年07月29日

米IT大手オラクルは6月29日、南部アガディールにモロッコで2カ所目となる研究開発(R&D)拠点を開設したと発表した。新拠点は、2024年に開設されたカサブランカのR&Dセンターに続くもので、同社はモロッコから国際市場向けのクラウド技術および人工知能(AI)技術の開発を強化する方針を示した。

6月29日に現地で行われた開所式には、アジズ・アハヌッシュ首相、アマル・エル・ファラ・セグルチニ・デジタル移行・行政改革担当特命相、カリム・ジダン投資・公共政策統合・評価担当特命相、オラクルのサイモン・ド・モンフォール・ウォーカー副社長らが出席した。

アハヌッシュ首相は、今回の投資について、モロッコが研究開発活動や先端技術分野における競争力と投資魅力を備えた拠点として認識されていることを示すものだと述べた。また、モロッコには質の高い人材や教育・研究機関が存在し、デジタル化に向けた国家的な取り組みも進められていると強調した。

オラクルは、カサブランカに加えアガディールにもR&D拠点を設けることで、複数都市にまたがるイノベーションネットワークを形成する。アガディールの新拠点では、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)、AI活用アプリケーション、データプラットフォーム、業界向けソリューションなどの分野で研究開発を行うほか、モロッコ人のエンジニアや開発者、研究者に新たな機会を提供するという。

セグルチニ・デジタル移行・行政改革担当特命相は、同プロジェクトが国家戦略「AI Made in Morocco」と整合するものであり、AIやクラウドコンピューティング、データプラットフォーム分野でのイノベーション促進に寄与すると説明した。また、アフリカ、欧州、中東を結ぶデジタルハブとしてのモロッコの地位向上にもつながるとの見方を示した。

ジダン投資・公共政策統合・評価担当特命相は、今回の投資が高付加価値技術分野における地方都市への投資拡大を示す事例だと評価した。さらに、同拠点は高度人材向けの雇用機会創出や地域のイノベーション・エコシステム強化を通じて、モロッコのデジタル経済発展に貢献するとの期待を示した。

モロッコは国家戦略「Digital Morocco 2030」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)により、デジタルを競争力向上や行政近代化、社会的包摂の推進力として位置付けている。政府は若者のデジタル人材育成、デジタル経済での雇用創出、革新的企業の育成、デジタルサービス輸出拡大を進め、モロッコを地域のテクノロジーハブとすることを目指している。また、デジタル関連の公共投資額は3年間で飛躍的に増加し、2021年の1,100万モロッコ・ディルハム(約1億8,700万円、MAD、1MAD=約17円)から2024年には17億MAD超へと拡大した。

(鈴木優香)

(モロッコ、米国)

ビジネス短信 0f027e678dd7535d