ハンガリー・セルビア高速鉄道、完成は2023年中

ハンガリーのシーヤールトー・ペーテル外務貿易相が6月6～8日に中国を公式訪問した。同相は8日、2017年11月にブダペストで開催された中国と中・東欧との協力を深める「16＋1会議」で入札額が発表されたブダペスト（ハンガリー）・ベオグラード（セルビア）鉄道プロジェクト（2017年12月15日記事参照）について、国家発展改革委員会の●（うかんむりに丁）吉■（吉2つ）（ニン・ジヘ）副議長と会談した。その後ハンガリー・セルビア・中国間政府間作業部会の第7回会合に出席し、会合終了後に以下のようなコメントを発表した。

中国は「一帯一路構想」の中で欧州への輸出を大幅に拡大していくに当たり、物資を海路で東シナ海を経てギリシャのピレウス港まで運び、そこから鉄道で内陸に輸送する計画を立てている。ブダペスト・ベオグラード間の高速鉄道が完成すると、ギリシャと欧州内陸部との最も速い輸送ルートとなるだろう。さらにこの高速鉄道プロジェクトは、雇用の創出、物流、資金調達に関してハンガリーとセルビアに大きな利点をもたらす。

整備が予定されているハンガリー国内の鉄道区間の入札に関し、入札書類を入手した30社のうち、2つのコンソーシアムから有効な仕様書が提出された。いずれもハンガリーと中国の合弁企業。今回の作業部会で決定されたスケジュールでは、応札者は7月末までに技術審査書類を提出し、最終落札者との契約は遅くとも2018年末までに締結される。同プロジェクトの予算は、5,250億フォリント（約2,100億円、1フォリント＝約0.4円）に10％の準備金を加えた額で、入札額はこの予算内でなければならない。

中国からの本プロジェクトへの融資については現在交渉中で、ハンガリー政府はハンガリー財務省と中国輸出入銀行に対し、9月中旬までに合意に達するように指示した。

落札者との契約締結後、最長18カ月間をプロジェクトの計画および許認可取得の段階、その後2年半から最長3年を建設期間とし、ブダペスト・ベオグラードの高速鉄道は、遅くとも2023年末までに完成しなければならない。

（我妻真）