ムハンマド・アルジュンディさん、吳承桓さん
Voice of Senpai世界が評価する先端テクノロジーを持つ日本で、持続可能な社会づくりに貢献したい
- 所属
- 株式会社Synspective
- 氏名
- アビナンダン・アーヤさん
- 出身
- インド
- 業種
-
- 情報通信業
インドとアメリカでコンピューターサイエンスやAIを学び、さらに北海道大学でリモートセンシング(遠隔観測)の博士課程に在籍中のアビナンダンさん。現在、小型衛星を使った地球観測のデータ解析に取り組むアビナンダンさんに、日本での仕事にかける情熱についてお聞きしました。
自己紹介と株式会社Synspectiveについて
私はアビナンダン・アーヤと申します。Synspectiveの技術戦略担当です。
Synspectiveは、SAR衛星(※)の開発・運用とデータソリューションを専門とするパイオニア企業です。私たちは、災害管理や平和と安全のための地球観測情報、そして持続可能性のためのさまざまなソリューションを提供しています。
Synspectiveが目指すのは、SARデータをもとに、人類が地球環境のリスクを管理し、人々の生活をよりよい方向に変革させるエコシステムを作り上げること。その中で私の役割は、さまざまな部門を横断して戦略的なプロジェクトをリードし、データとソリューションを扱い、ビジネスの可能性を広げることです。
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※
SAR(合成開口レーダー)衛星とは
人工衛星や航空機に搭載されたアンテナから電波を地表に照射し、反射波を捉えて地表の情報を取得する衛星で、全天候・全時間帯で地上観測が可能。Synspectiveが開発した小型衛星は、100kg級と、従来の1/10まで小型化されている。

日本で働くに至った経緯を教えていただけますか
私は2019年に「日本の革新的な技術に携わりたい、優秀な人材と一緒に働きたい」という夢を抱いて日本に来ました。そのなかでもSynspectiveで働きたいと思った理由は3つです。
1つ目は、“社会の利益や持続可能性を主体としたイノベーションのために働きたい”という私の情熱と、会社の「衛星データを社会の利益のために活用する」という理念が完全に一致したこと。
2つ目は、日本は製造分野やリモートセンシング、人工知能、エレクトロニクスの研究開発で、世界的に高く評価されており、私にとってまさに理想的な場所でした。
3つ目は、日本の文化、謙虚さ、礼儀正しさ、社会的調和などです。日本のこのような姿勢・考え方は、「社会の利益や持続可能性のために働きたい」という、会社と私自身の理念とリンクすると感じたのです。

日本で働くにあたって、どのような準備が必要ですか
日本に来る前に準備しておくべきことは何かと聞かれたら、間違いなく「日本語」を挙げます。言語は文化を理解するための手段だからです。
新しい文化に溶け込んだり、周りの人を知るのは大変なことです。どのような組織、国に行くにしても、同僚と仕事をしたり、組織で働いたりすることに多大な時間を費やすことになります。
もし語学に長けていれば、より多くの人とつながり、より多くのプロジェクトに参加することができるでしょう。
ただ、私はこの5年半の日本の生活で、言語に関してそれほど困難を感じたことはありません。Synspectiveは完全に国際的な企業であり、30カ国以上から同僚が集まっているということもありますが、日常生活でたとえ言葉がわからなくても、日本の方は皆とても謙虚で礼儀正しく、あらゆる面で助けてくれるのです。また、さまざまなアプリがあり、それらを活用してコミュニケーションをとることもできます。
実際、日本に来た時、入国審査からアパートに住むまでのすべてのプロセスはおどろくほどスムーズでした。
それでも、語学を自由に操れることは、日本で働く上で、優位に働くことは間違いないと思います。
日本で働く際に、大変だったことはありますか
大変だったといいますか、仕事に対する姿勢でも、個人としても、変化したことがあります。
私はインドや日本で数年間、いくつかの多国籍企業で働き、また韓国に数ヶ月滞在したこともありますが、日本で働いて感じるのは、日本の企業は、従業員の専門性や革新性を高く評価し、従業員の成長のために協力的な環境を作っているということ。
そして、日本では「なぜ」よりも、「どのように」に重点を置く点が特徴的だと感じます。結果をスピーディに導き出すよりも、一度立ち戻って考え、努力をし、プロセスに最善を尽くして結果を得る、というアプローチは、私自身、これまでのキャリアではなかった経験でした。そして自分自身にこのような新しい変化が起こったことに感謝しています。
スタートアップ企業で働くことの魅力を教えてください
私は日本の大企業で、大きなチームを率いた経験もありますが、大企業では自分が企業に直接与えられる影響は、極めて小さいことが少なくありません。
しかし、スタートアップの枠組みで働くと、組織への貢献が、直接目に見える形で評価されやすいと感じます。何かを成し遂げ、それが組織の目標に合致すれば、満足感も高まりますし、自分の成果が最後の1マイルまで変化していくのを目の当たりにすることができるのです。
新しいテクノロジーを使ってミッション主導のイノベーションを行う組織では、最初からその旅の一部になれますし、テクノロジーやサービスに対する洞察が深まると同時に、社会にインパクトを与えることができ、よりやりがいを感じることができると思っています。
Synspectiveについて言えば、25カ国以上の国籍のメンバーがいます。日本の伝統を大切にしていますが、国際的な職場環境でもあります。15カ国語ほどの言語が飛び交っていますが、言語や文化だけでなく、テクノロジーも国際的で、問題を解決するときには、ひとつの角度から見るのではなく、可能な限りさまざまな角度から最善の方法を見つけます。異なる文化圏から来た者同士、同じ使命感を持っていますし、これからも一緒に歩んでいきたいと思っています。
これからの目標を教えてください
これからも、人工衛星を活用した持続可能な社会の実現につながるさまざまなソリューションや地球観測のテクノロジーに携わっていきたいと考えています。
Synspectiveで現在行っているような使命感あふれる革新的なプロジェクトに貢献し続けたい、日本とインド、そして他の国々とのコラボレーションを促進していきたいと思っています。
そして将来的には、日本で、未来を創る新しい世代のプロフェッショナルを指導したいと考えています。
これから日本で働きたい方へ - Senpaiからのメッセージ
私たちは多様な視点を尊重し、新しいイノベーションを奨励し、異なる文化圏から来た者同士、同じ使命を持って一緒に歩んでいきましょう。

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