Voice of Senpai日本語が完璧でなくても大丈夫。情報収集と面接練習で実現した日本でのキャリア

所属
フォースタートアップス株式会社
氏名
エブリン・ウォンさん
出身
香港
業種
  • 技術・サービス

日本好きのご家族の影響を受けて中学から日本語を勉強し始め、香港大学でも日本語を学び、在学中に秋田市にある大学に半年間留学したエブリンさん。社会人として再び日本で暮らしたいと考え、香港にいながら転職活動を進めました。今後は、スタートアップなど日本の成長産業のグローバル化を盛り上げて、香港と日本を繋ぐ架け橋のような存在になりたいというビジョンを持っています。そんなエブリンさんに、日本で働くことや、就職活動のコツについて聞きました。

自己紹介をお願いします

エブリン・ウォンと申します。香港出身で、来日して丸1年になります。

フォースタートアップス株式会社は日本のスタートアップ企業の支援などをしている会社です。私は成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」のリサーチャーとして働いています。

今のお仕事について教えてください

データベースに掲載されているスタートアップ企業の情報精査、クライアントの要望に応じたデータの抽出、チャートでのお渡し、海外の方との商談、プロダクトで関わっている他の部署との打ち合わせ、イベントへの参加などが主な担当業務です。スタートアップ企業はもちろん、国内外の投資家の方と話す機会が多く、とても学びが多いですね。

従業員は220名ほどで、社内の外国人材は私ともう一人の2名です。

職場の雰囲気は和気あいあいとしていて、同僚とランチに行ったり、プライベートでも遊んだりと、とても仲が良いです。

日本に来たきっかけを教えてください

もともと親が日本好きで、親と一緒に旅行でよく日本に連れて来てもらい、私も日本文化が好きになりました。それで中学校から日本語の授業を受け始めて、大学では日本語を専攻、大学3年生の時に秋田の国際教養大学(AIU)に半年間、交換留学をしました。

香港に戻って大学を卒業し、新卒で入った会社では、日本のマーケット担当としてデータベースのリサーチアナリストをしていました。その時に日本に出張する機会が何度かあったのですが、日本での社会人としてのマナーや言葉遣いなどが分からず、緊張の連続でした。そこで、日本でもう一度、社会人として暮らしてみたいと思いました。

秋田での留学生活はいかがでしたか

それまでは観光で東京や大阪、京都など、人が多い都市部に行っていましたが、学生として半年間暮らすなら、行ったことがない地域がいいと思っていました。

AIUは、海外の文化に触れたい、英語で授業を受けたい、と思う日本の学生が各地から来ています。また、海外からも日本語を学びに来ているので、日本の学生と留学生がお互いに話す機会が多いというのも魅力的でした。

実際、秋田に住んで、東京では得られない体験がたくさんできました。秋田は大自然がとても近くにあって、冬は雪がたくさん降りますし、乳頭温泉をはじめとした秋田ならではの温泉もあります。「いぶりがっこ」など、その土地ならではの食べ物や味付けも印象的でした。友人たちと車であちこち遊びに出かけたりするのも楽しかったですね。

日本企業への転職活動について教えてください

転職活動を始めてからフォースタートアップスに入社するまでは、1年ぐらいかかりました。

香港に住みながらの転職活動で、日本で長く生活していなかったので、日本語を使って日本の職場に馴染めるか、ビザか取れるか等の不安はありました。転職エージェントに登録したり、自分から直接企業に応募をしたりしていましたが、日本の履歴書がどんなものかわからなかったので、フォーマットをインターネットで調べ、英語で書いてから日本語に翻訳をする、というところから始めました。面接も、日本語でどんな質問をされるかを動画サイトで調べて、英語と日本語で練習していました。今の会社からスカウトメールをもらって、3回ほど面談し、日本で働く不安についても真摯に答えてくれたので不安が解消されて入社を決めました。

これは私から日本での就職を目指す方へのアドバイスですが、日本語に自信がないことを恐れずに、たくさん練習することが大事だと思います。面接は、自分自身の魅力をアピールする場だと考えています。ですから、自分を表現できる話し方や言葉づかいを、母国語で話す時のように日本語でも話す、とイメージして練習するといいと思います。また、周囲に日本の企業の面接を受けた先輩がいたら相談して準備をしていけば、それほど心配することはないと思います。

日本に来る前に心配だったことはありますか?

日本で働くことについては、私自身よりも、周囲から心配されることが多かったですね。

日本は労働時間が長いというイメージを持つ人が多かったです。また、日本は物価が世界でもそこまで高くない地域だと思うので、給与がアメリカやヨーロッパ、他のアジアの国よりは低めの印象でした。

でも、実際に日本で働いてみると、私自身の働き方やバランスを尊重してくれていると感じました。日本では、基本給与に加えてボーナスや福利厚生の支給が多く、物価を考慮した生活水準を踏まえると、適切な給与水準だと思いました。たとえば病院に行く場合、かなりの出費となる国は多いですが、日本は企業が社会保険で保障しているので、医療費の負担は少ないです。社会保険はもちろん、外国人にも適用されるので、健康面でも安心ですね。

会社のサポートはいかがでしたか

フォースタートアップスへの就職が決まったとき、はじめは通常の「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で手続きを進めていましたが、人事担当の方が私の履歴書を確認し、高度専門職の在留資格を申請できる可能性があると教えてくれました。そこから1ヶ月ほどで高度専門職を取得することができました。

日本で就職活動をするときは、就職する企業が在留資格の取得など、どのようなサポートをしてくれるかを確認して相談しながら進めると良いと思います。

これから日本で働きたい方へ - Senpaiからのメッセージ

日本に暮らすと決めること自体が、とても勇気が必要な決断だと思います。

ひとりで外国に住むのはたくさん不安があると思いますし、周りに“日本は労働時間が長い”というイメージを持つ人もいるかもしれません。でも、そんなに心配しなくても大丈夫です。

私自身は、「無理や妥協をせず、まず自分自身と相談する」、「上手くいかなかった時はすぐ周りに相談する」ことを心がけています。

そして、今の時代は、働こうとしている会社がどんな会社で、働いている人はどんなことを思っているか、といった情報がインターネットで簡単に調べられます。すでに日本で働いている外国人材に聞くこともできます。ぜひ情報を収集して、参考にしてみてください。

日本語も、完璧になろうとしなくていいんです。自分にストレスをかけすぎず、ハッピーに、健康に、で行きましょう!

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