佐藤 大輝 塩川 裕子 都築 佑樹 佐藤 大輝 塩川 裕子 都築 佑樹

CROSS TALK 地方で働く醍醐味

企業や自治体との二人三脚で、
地元の発展に貢献する面白さ。

  • 佐藤 大輝

    佐藤 大輝

    Sato Taiki

    盛岡貿易情報センター
    2017年入構

  • 塩川 裕子

    塩川 裕子

    Shiokawa Yuko

    富山貿易情報センター
    2016年入構

  • 都築 佑樹

    都築 佑樹

    Tsuzuki Yuki

    岡山貿易情報センター
    2016年入構

Q.まずはそれぞれの地域をご紹介ください。

佐藤
岩手県は地域ごとに特色ある食材が豊富にあります。内陸地域では主に農畜産物が盛んですし、三陸海岸沿いは漁業や水産加工品の生産が盛んですね。私の業務はその農林水産食品事業者の輸出支援を主に担当しています。
塩川
震災の影響はまだ残っている?
佐藤
そうですね、地域によって様々ですが、まだまだ爪痕が色濃く残るところもあります。
都築
地方創生がより強く求められている県というわけだね。私がいる岡山県も農林水産が中心です。特徴としては、各産業で横のつながりが強いと感じますね。「みんなで一緒に岡山を発展させていこう」という思いを感じます。メーカーが何社か共同で商談したりとか。
佐藤
県でまとまることもあれば、地域単位もありますよね。岩手でいえば三陸ブランドとか、もっと大きく東北全体で連携することもある。
都築
そうそう。こっちだと瀬戸内で連携したイベントも多いです。それと、岡山はデニム生地の世界的な産地。アパレルブランドさんの中では有名で、文字通り世界中から仕入れにきます。名前は言えませんが、皆知っている有名なブランドのバイヤーも。私もこちらでジーンズ2本買いました(笑)。
塩川
履き心地は?
都築
最高(笑)。やはり自分で履いたりすると急に愛着が湧くよね。生産者の顔もわかっているし、地場産業への思い入れが深まる。企業の商材をできるだけ自分が理解していることが大切だと考えているので、可能な限り直接会って関係を構築し、商材について学ばせてもらっています。
塩川
富山は製造業の従事者数の割合が日本で一番多いんですね。もの作りがとっても盛んな地域です。医薬品、化学品や金属加工品に加え、伝統工芸品も作っています。それを自社製品として販売するのではなく大手メーカーから製造受託しているケースも多いですね。なので海外のバイヤーやメーカーが富山の製造業の技術を求めて買い付けに来たりします。そういうのって、実際にお会いして話を聞かないと知らなかったことですから、新たな発見でした。
都築
地元に密着し、それぞれの特色を活かして地域を活性化することで「日本を元気に」していくことが我々のミッションということだね。

佐藤 大輝

輸出・投資の促進を通して日本の地方経済に貢献したいと考え就活。またドイツ留学の経験から、海外と関りを持ちながら働くことも目指していた。「JETROならどちらも実現できると考えました。それと漠然と『貿易』というビジネスに憧れがあったというのも理由の一つです」

今の事務所に赴任した経緯は?

佐藤
私は2019年7月に盛岡貿易情報センターに赴任しました。入構当初から地方赴任、できれば東北地域を希望していたので、念願が叶いました。生まれが札幌、大学は仙台ですから、雪のある寒い地域には慣れていますので。
都築
佐藤くんはなぜ地方を希望したの?
佐藤
企業さんとの距離感が近いという魅力ですね。そういうお話を周りから何度も聞いていたので。それが一番大きいです。経営者の方々と接しながら、ビジネスをダイレクトに感じられるという面白さがいいです。それと正直いうと、社会人になって初めて東京に来て通勤ラッシュがとても辛かったというのもあります(笑)。都会暮らしの経験がなかったので。
都築
私もある先輩から「地方事務所は企業との距離が近いから面白い」というお話を聞き、若いうちに地方勤務を経験してみたいと考えていました。特定の県に希望は出してはいませんでしたが、あまり大都市圏でない事務所を希望していたのでありがたかったですね。
塩川
企業や自治体の方と密に関わって地元に貢献するような仕事は地方事務所ならではですよね。
都築
そうだね。そういう経験が自分の成長につながると考えました。地元だと「JETROさん」ではなく「都築さん」と呼ばれるからね。
塩川
私は本部にいたときに地方事務所とかかわる機会が少なく、地方での業務についてあまりイメージがなかったのですが、都築くんと同じで地方勤務の先輩のお話を聞く機会があって。その人がとても楽しそうで、興味が湧きました。先輩たちからも「もう少し早く地方に行けばよかった」というような声も聞いたので。
佐藤
それ、良く聞きますね。
塩川
それで、せっかくなら小規模事務所で企業にガッチリ食い込んでみたかった。あと産業のバランスがよく、日本酒と伝統産品の輸出支援ができるところを希望していました。だから富山は理想の赴任地でした。
都築
地方の経営者は熱い思いをもった方が多い気がします。自治体の方もそんな印象で、とにかく「地元を盛り上げたい」という思いをお持ちだよね。それは岡山に限らずどの地方事務所でも想いは同じなんじゃないかな。

塩川 裕子

かねてから海外と関わる仕事や公共性のある仕事をしたいと考えていた。留学先の韓国で「これからは日本より中国」と言われたことにショックを受け、「日本経済を支えられるような仕事がしたいと思うように」。偶然JETRO内定者の先輩が身近におり、実際に話を聞いて興味をさらに持ったという。

休日の過ごし方は?

都築
私はバイクのツーリングが好きで、岡山にはいい道がたくさんあるので最高です。冬でも暖かくて凍結しないので1年中走れるのもいい。景色のいい山の道、海岸沿いの開放的な道。どちらも堪能できます。クルマで企業に出向く道中でも、「お、ここ今度バイクで来よう」みたいな(笑)。
塩川
グループで走るの?
都築
いや、もっぱらソロツーリング。その方が自由気ままでいいんだ。塩川さんは連日晩酌していると聞いたけど? なんでも富山の日本酒を全制覇したとか(笑)。
塩川
日本酒が好きなのでここは天国ですね(笑)。フルーティーなお酒から辛口のご飯に合うお酒まで、様々なお酒を楽しんでます。残念ながら県外不出で、JETROの支援につながらない銘柄もあるのだけど(笑)。それと仲良くなった地元の方々に美味しいお店を紹介してもらったり。
都築
結構がっつり地元に溶け込んでるね(笑)。私も地元の方と飲みに行ったりすることは多いです。
塩川
人里離れた山奥に行列のできる素麺屋さんがあって、食べに行きました。本当に美味しかったですよ。麺もお汁も。最近は富山を飛び出して、能登半島や岐阜の白川郷、高山、新潟の上越にも行きました。富山ライフを満喫しています。
佐藤
私はせっかく三陸海岸という素晴らしい漁場(世界三大漁場!)があるので海釣りを始めました。クルマを持っていないので、深夜に地元の釣り仲間に拾ってもらって朝から釣りを満喫しています。で、昼前に釣り終えてランチは釣果を食べます。鮮度は抜群ですね。
塩川
それは美味しそう!
佐藤
冬は1月ぐらいから湖でワカサギ釣りが解禁されるので楽しみたいなと思ってます。昔は1匹も釣れなかったのでリベンジです(笑)。

都築 佑樹

大学時代にマレーシアに留学を経験し、日本と特定の国を繋げられる仕事がしたいと考えたという。「支援対象である企業との距離がより近く、自分自身がやりがいを持って仕事に取り組めると思い、JETROを志望しました」。将来は、得意なマレーシア語を活かせるマレーシア駐在の将来像も思い描く。

地方事務所の仕事の面白さは?

佐藤
何より地域の発展に貢献できる点です。特に東北は、先ほども言いましたが震災で甚大な被害を受けました。私は震災後に宮城県で学生をしており、震災関連の活動や勉学に触れる機会が多かったんですね。その分地元の方々のご苦労や復興にかける熱意にも触れてきました。私なりに「企業のためになることは何か」を考えて業務に当たっています。
塩川
地方事務所は地元の企業と物理的にも心理的にも距離が近いので、東京や海外から見えないこともたくさん見聞きすることができます。実際に私も、東京にいた時の視点と地方が求めるニーズにズレがあると実感することもありました。地方の企業の視点に立ち、ニーズをキャッチしてJETROの事業などに反映していくことも、地方事務所の大事な役割だと思っています。
佐藤
これは食品ならではですが、やはり自分が食べて飲んで「美味しい」と感じたものを人に紹介することは楽しいですね。例えば私はアワビの陸上養殖企業の支援を担当していますが、海水を汲み上げる際にフィルターを通してるので砂が入っていなくて本当に美味しい。昼から事務所でアワビ弁当を食べることもあります(笑)。こういう優れた商材・技術をそれぞれのストーリーとともに海外に広めていきたいですね。
塩川
なんという贅沢(笑)。
都築
岡山は食べ物とか飲み物、雑貨などのコンシューマー商品が多く、自分自身が消費者として食べたり使ったりすれば商品の理解もしやすいです。実際に美味しかった商品を支援できるというのは面白い。ジーンズも同じですね。そうした地場の企業の海外進出をご支援し、企業に近い距離感で発展に寄与していけることが地方事務所の面白さですね。
塩川
私はまだ経験が浅く、企業の皆様から勉強させていただくことが多いです。でもいつか自分の経験や知見で企業に恩返しをしたいと思っています。地元の中小企業にとって海外進出は非常に大きな経営判断です。成果につながるよう全力でご支援させていただきたいですね。自分の提供した情報や商談機会によって、企業の実際のビジネスにつながった際の喜びはひとしおです。そうした経験をここ富山でもっと積んでいきたいと思います。
都築
JETROというと海外駐在をイメージしがちだけど、実は足元の日本国内にも仕事の醍醐味はあった、という感じですね。自分の携わった商品が実際に海外で販売されているのを見た時は、何よりの達成感を感じる瞬間です。