2022年は新型コロナ規制が大幅に緩和、観光客が増加

(サウジアラビア)

リヤド発

2022年12月23日

サウジアラビアでは、2021年は新型コロナウイルス感染拡大防止のために、日本やアラブ首長国連邦(UAE)など主要国からの入国を一時的に禁止していた。感染状況が落ち着き始めたことに伴い、2022年はそれらの規制を大幅に緩和した1年となった。

2022年3月にサウジアラビア政府は、入国者に対するPCR検査や抗原検査結果の提出義務を廃止し、施設隔離・自宅隔離措置を撤廃。また、屋外でのマスク着用義務を廃止した(2022年3月7日記事参照)。

これらの緩和により、サウジアラビアへ渡航する外国人は、出発前72時間以内のArrival Platform(Muqeem)への新型コロナワクチン接種状況の登録と、新型コロナウイルス感染症の治療費をカバーする医療保険への加入のみに対応すればよくなり、渡航環境は改善した(2022年4月27日記事参照)。

一方、公的・民間施設などへの立ち入りや公共交通機関の利用に際して、保健省指定のアプリケーション「タワッカルナ・アプリ(Tawakkalna)」による免疫獲得状況の提示義務は継続されていた。3月以降、緩和が進むにつれて、同アプリに不具合が生じるなど、サウジアラビアへの赴任者および出張者の間でトラブルが生じる場面も見られた(2022年5月13日記事参照)。

その後、6月には、これらアプリによる免疫獲得状況の提示義務も撤廃。また、公共交通機関や屋内でのマスク着用義務もなくなったことで、新型コロナウイルス感染拡大前の生活様式に一層近づいた(2022年6月14日記事参照)。

ホテル関係者によると、10月に開始された当地の観光・娯楽イベント「リヤド・シーズン」への参加を目的とした観光客を中心に人々の往来が増えており、12月時点でリヤド市内の宿泊施設は逼迫気味の状況にある。

(位田陸)

(サウジアラビア)

ビジネス短信 6f54ad0845ff8c61