米プラグパワー、食品物流施設のフォークリフト用に燃料電池とグリーン水素供給設備の提供発表
(米国)
ヒューストン発
2022年10月21日
米国の燃料電池システム開発のプラグパワー(本社:ニューヨーク州レーサム)は10月19日、食品物流会社フリーズパック・ロジスティクス(本社:ニュージャージー州カーテレット)と、物流施設で用いるフォークリフト用の燃料電池とグリーン水素(注)供給設備を提供する契約を締結したと発表した。
発表によると、プラグパワーはフリーズパックの既存の4つの物流施設と、2023年に稼働予定の5つの物流施設で、約400台のフォークリフトに燃料電池、グリーン水素の提供を行う。フリーズパックによると、従来の鉛蓄電池を搭載したフォークリフトは業務時間中に頻繁に充電する必要があったが、水素燃料電池を搭載したフォークリフトは燃費が良く、業務時間中に水素補給が不要なため、確実に生産性が向上したという。
プラグパワーのアンディ・マーシュ最高経営責任者(CEO)は「われわれは、米国のサプライチェーンをさらに改善し、二酸化炭素(CO2)排出量を削減させ得るパートナーシップの拡大をうれしく思う」と述べた。
プラグパワーは米国物流大手のアマゾンと2025年からアマゾンの物流施設用に年間1万950トンのグリーン水素を供給する契約締結(2022年8月29日記事参照)を発表しており、同社によると、全米で合計11の物流拠点をサポートすることになる。
プラグパワーはグリーン水素の供給量増加のみならず、製造量増加にも積極的に取り組んでいる。同社は8月に米国のニュー・フォートレス・エナジーとテキサス州にグリーン水素製造の施設建設を発表したほか(2022年8月12日記事参照)、9月にはフランスのライフと世界初の洋上風力発電施設でのグリーン水素製造を発表した(2022年9月27日記事参照)。10月には米国のオーリンとルイジアナ州にグリーン水素製造施設の建設に向けた合弁会社の設立を発表している(2022年10月21日記事参照)。
(注)水素はその製造方法によって(1)化石燃料を燃焼させたガスを改質することで製造する「グレー水素」、(2)グレー水素製造工程で排出したCO2を回収し貯留または利用(CCS、CCUS)することでCO2排出を抑える「ブルー水素」、(3)再生可能エネルギーを利用して水を電気分解することで製造し、製造工程でCO2を発生させない「グリーン水素」などに分かれる。
(沖本憲司)
(米国)
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