バイデン米大統領支持率が4割以上に回復、各種世論調査

(米国)

米州課

2022年09月01日

米国のジョー・バイデン大統領の支持率は、6月に4割を割って低迷していたが(2022年6月14日記事参照)、最近の各種世論調査では4割以上に回復していることがわかった。

コネチカット州のキニピアク大学が8月31日に発表した世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)によると、バイデン大統領の支持率は40%と、同大学の7月調査時の31%から回復した(2022年7月21日記事参照)。同調査では、バイデン氏の経済政策に対する支持率が7月の28%から37%へ回復したことが最大の変化だったと指摘している。また、バイデン大統領が8月に学生ローン債務の免除を発表したことで(2022年8月25日記事参照)、1834歳の若年層の支持が7月の20%から40%に上昇したことも要因の1つとみられる。

もし中間選挙が今日実施された場合、連邦下院選と連邦上院選で、共和党、民主党のどちらが多数派になることを希望するかとの問いに、「民主党」がそれぞれ46%、47%と、「共和党」(42%、44%)をわずかに上回る結果だった。

また、ドナルド・トランプ前大統領は退任後の機密文書の取り扱いにについて刑事責任を負うべきかどうかについては、「負うべき」が50%と半数となった。

8月下旬に実施された経済誌「エコノミスト」とPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)調査会社ユーガブ(注2)、調査会社ラス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますムッセンレポート(注3)の世論調査でも、バイデン氏の支持率はそれぞれ41%、45%となっている。

中間選挙を2カ月後に控え、共和党候補者はドナルド・トランプ前大統領との関係性や、極端な人工妊娠中絶禁止について積極的に発信することが少なくなったといわれている。トランプ氏との関係については、同氏が機密文書の不正持ち出し疑惑により同氏の邸宅が捜索され、国民から厳しい視線が向けられていることが関係しているとみられる(2022年8月30日記事参照)。人工妊娠中絶については、最高裁が6月、女性の中絶権を認めた1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆したこと(2022年6月27日記事参照)に対して、ピュー・リサーチ・センターの世論調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注4)では、「反対」が57%、82日のカンザス州の中絶法改正に関する住民投票でも、中絶禁止に反対する票が59%と半数以上が反対の姿勢を示している。こうしたことから、中間選挙の予備選に勝利した共和党候補者は11月の本選に向けて調整を迫られる状況にあるようだ。

(注1)実施時期は82529日、対象者は全米の成人1,584人(うち登録有権者1,419人)。

(注2)実施時期は82830日、対象者は全米の成人1,500人。

(注3)実施時期は82830日、対象者は全米の中間選挙投票予定者1,500人。

(注4)実施時期は62774日、対象者は全米の成人6,174人。

(松岡智恵子)

(米国)

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