トヨタの米ノースカロライナ州EV用バッテリー工場、2025年4月に稼働へ
(米国、日本)
アトランタ発
2025年02月07日
トヨタ自動車は2月5日、米ノースカロライナ州ランドルフ郡リバティのトヨタ・バッテリー・マニュファクチャリング・ノースカロライナ(TBMNC)が生産準備を完了し、2025年4月から北米向けの電気自動車(EV)用バッテリーの出荷を開始すると発表した。同社にとって米国内で11番目の生産拠点で、米国初の、ハイブリッド車(HEV)、バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)用バッテリーの製造拠点となる。
TBMNCは豊田通商との合弁会社で、2021年12月に12億9,000万ドルを投じたEV用バッテリー工場建設を発表し、2022年9月に25億ドル、2023年11月に80億ドルの追加投資を発表した(2021年12月7日記事、2022年9月1日記事、2023年11月7日記事参照)。総投資額は139億ドル、5,100人を雇用する予定で、ノースカロライナ州史上最大の製造拠点になる(「ビジネスジャーナル」電子版2024年9月15日)。なお、同州では、大日本印刷、冨士発條と豊田通商の合弁会社、豊田通商グループのグリーンメタルズなどによるEV関連投資も発表されている(2024年6月17日記事参照)。
新工場は、敷地1,825エーカー(約7.4平方キロ)で、HEV用バッテリー生産ライン4本、BEVおよびPHEV用生産ライン10本の計14本の生産ラインが稼働する予定だ。2030年までに全ての生産ラインの立ち上げを計画しており、最終的には年間生産能力30ギガワット時(GWh)以上を見込む。生産されるバッテリーは、2024年にトヨタがBEVの3列シートSUV(スポーツ用多目的車)生産と併せバッテリーパック組立ラインの設置を発表したケンタッキー州とインディアナ州の製造拠点に供給される(2024年2月8日記事、2024年4月26日記事参照)。
米国南東部は、EV関連の大型投資が相次ぎ注目を集めている(2023年9月27日付地域・分析レポート参照)。ただし、米国におけるBEV販売の減速に伴い、フォード、新興EVメーカーのリビアン、ベトナムの大手複合企業ビングループ傘下のビンファストなど、各社のEV関連施設の稼働後ろ倒しが発表されている(2024年7月17日記事参照)。そうした状況下で、TBMNCと2024年第4四半期から本格稼働した韓国の現代自動車グループのメタプラント・アメリカは当初の予定どおりの稼働となった。
(横山華子)
(米国、日本)
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