自動車部品製造のアバンセ、米フォードのテネシー州ブルーオーバルシティーへ進出

(米国)

アトランタ発

2024年05月02日

米国のテネシー州のビル・リー知事(共和党)は4月25日、フォードが同州に建設中の「ブルーオーバルシティー」に、自動車部品サプライヤーのアバンセ・アセンブリ―が5,400万ドルを投じて製造拠点を設立すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。アバンセ・アセンブリーの拠点では501人の新規雇用を創出する予定だ。

ブルーオーバルシティーは、フォードと韓国SKが56億ドルを投じて、テネシー州メンフィス北東のヘイウッド郡スタントンに建設中の、電気自動車(EV)とEVバッテリー製造のための敷地3,600エーカー(約14.6平方キロメートル)のメガキャンパスで(2021年9月29日記事参照)、敷地内にサプライヤーが集積する「サプライヤーパーク」がある。ブルーオーバルシティーの建設に対しては、フォードと韓国SKがケンタッキー州に建設中の2工場とあわせて、米国エネルギー省(DOE)から92億ドルの条件付き融資を受けることが発表されている(2023年6月28日記事参照)。

アバンセは、ミシガン州マコーム郡ウォーレンに本社を置く2012年設立の会社で、OEM(完成車メーカー)向けの複雑なモジュラー組み立て、シーケンシング、その他のサプライチェーン業務を専門とし、米国とカナダに拠点を持つ。新設する組立工場は、同社にとって米国で3番目の拠点となり、米国南東部の主要顧客に近い場所に拠点を持つことになる。

ブルーオーバルシティーでの拠点設立の発表は、2023年7月に発表されたカナダ大手自動車部品サプライヤーのマグナに続き2社目となる(2023年7月26日記事参照)。これまでに発表されたフォード、マグナ、アバンセの3社で合計7,800人の雇用が見込まれる。さらに、サプライヤー情報が公表されていないものの、ブルーオーバルシティーでは6つのサプライヤー施設の建設が進行中だ(「ビジネス・ジャーナル」4月25日)。

リー知事は「テネシー州の自動車産業における長い歴史によって、テネシー州はEV革命における強い州として推進されてきた」「アバンセがヘイウッド郡における熟練労働者のために何百という雇用を生み出したことに感謝を表明するとともに、このプロジェクトがテネシー州西部にもたらす経済的繁栄を楽しみにしている」と述べた。2019年からのリー知事の政権下、テネシー州には158億ドル以上が投資され、EV関連プロジェクトを通じて1万3,200人以上の新規雇用が約束されている。

なお、フォードは2024年4月4日、次世代EVの発売時期見直しを発表する中で、ブルーオーバルシティーでの次世代EVトラックの生産開始についても、当初予定の2025年開始から2026年開始へと変更を発表している(2024年4月9日記事参照)。

(横山華子)

(米国)

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