ホルムズ海峡での貨物船拿捕後の船舶通過状況、IMF推計

(中東、イラン、イスラエル)

調査部中東アフリカ課

2024年04月22日

イラン・イスラム革命防衛隊は4月13日、ホルムズ海峡付近でポルトガル船籍の貨物船「MCS Aries」を拿捕(だほ)したと発表した(2024年4月15日記事参照)。

IMFと英国オックスフォード大学が共同で開発し、衛星からの情報を基に船舶データを提供する「ポートウオッチ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によると、ホルムズ海峡における4月11日から17日にかけての7日間の平均の船舶通過数は92隻となり、前年同期の102隻、前週の103隻から減少した。また、積載量ベースでは、同期間の7日移動平均の貨物積載量は641万メトリックトン(MT)で、前年同期の738万MTから減少した。なお、1日当たり海峡通過数は、2023年の年間の平均は100隻、2024年1月1日~4月17日の平均は88隻となっており、今回の船舶拿捕の影響は現時点では明確になっていない。

日本は原油の約9割を中東諸国からの輸入に依存するほか、日本からは自動車を中東向けに輸出しており、日本からの自動車輸出台数はアラブ首長国連邦(UAE)が3位、サウジラビアが7位となっている(2024年1月15日2月13日記事参照)。

なお、「MCS Aries」の拿捕後、4月14日には、イランはドローンとミサイルによりイスラエルへの攻撃を実施した(2024年4月15日4月15日記事参照)。また、4月19日にはイラン中部でドローンによる攻撃があったと報道された(2024年4月22日記事参照)。

また、イスラエル・ハマスの衝突以降、紅海においてフーシ派が民間船舶の拿捕や攻撃を繰り返しており、スエズ運河やバブ・エル・マンデブ海峡の船舶通貨数が減少し、喜望峰周りの航路の利用が増加している(2024年3月4日記事参照)。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの「特集」を参照。

(井澤壌士)

(中東、イラン、イスラエル)

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