北京市、オフィスビルでのPCR陰性証明確認が不要に、店内飲食には引き続き48時間内の陰性証明が必要

(中国)

北京発

2022年12月06日

中国・北京市においては、新型コロナウイルス感染の再拡大に伴い、公共施設や公共交通機関において原則48時間以内(注1)のPCR検査陰性証明の提示が求められていたが、12月6日までに同措置に関する調整が相次いで発表されている。

北京市交通委員会は、新型コロナウイルス防止抑制方案(第9版)と20条の合理化措置(「防疫20条」、2022年11月15日記事参照)の実施を徹底し、市民の生産や生活上のニーズに便宜を図るため、公共交通や物流の円滑化に関する措置を発表した。その中で、12月5日から、バスや地下鉄を運行する企業は48時間以内のPCR検査陰性証明を持たない乗客の乗車を拒否してはならないとした。

また、北京市は、同市における新型コロナウイルス防止抑制の新たな情勢(注2)に対応し、第9版方案や防疫20条の実施を前提としつつ、12月6日からPCR検査の確認について以下の措置を実施すると発表した(注3)。

  • 商店やスーパーマーケット、オフィスビル、および各種の公共施設について、入場時のPCR検査陰性証明の確認を不要とし、健康コードをスキャンすることで入場を可能とする。
  • 社区(コミュニティー)・村に入る際はPCR検査陰性証明の確認を不要とし、常住している住民については健康コードのスキャンも不要とする。
  • ネットカフェ、バー、カラオケ、浴場などの密室や飲食店(注4、店内飲食の場合)、ジムなどの施設では入場時の健康コードスキャンおよび48時間以内のPCR検査陰性証明の確認を必要とする。
  • 高齢者施設、児童施設、幼稚園、小・中学校、高校や医療機関の病棟などにおいても入場時に健康コードスキャンおよび48時間以内のPCR検査陰性証明の確認を必要とする。
  • 重要な組織・機関や大規模なイベントについては、必要に応じてPCR検査の確認措置を定めることができる。
  • 各区においては引き続き社会面(封鎖管理区域以外のエリア)において無料でPCR検査サービスを提供しつつ、検査場の配置を絶えず最適化し、市民の検査ニーズや防疫対策のニーズに便宜を図る。

なお、北京市内で日系企業が入居する複数のオフィスビルにおいても、12月6日から、入館時にPCR検査陰性証明を確認せず、健康コードのスキャンのみで可とする旨の通知が行われている(注5、12月6日正午時点)。

(注1)施設によっては24時間以内のPCR検査陰性証明の提示が求められていた。

(注2)国務院で新型コロナウイルス感染対策を担当している孫春蘭副総理(副首相)は11月30日、国家衛生健康委員会が開いた座談会で「オミクロン株の病原性が低くなり、ワクチン接種率が上昇し、防疫の経験が蓄積されたことにより、わが国の感染対策は新たな局面と新たな任務に臨んでいる」との認識を示した(2022年12月2日記事参照)。

(注3)このほか、北京市では11月30日から、長期間在宅している高齢者、在宅勤務者、在宅学習者、乳幼児など、社会面での活動を行わない人について、外出の必要がなければ社区で行う全員PCR検査の対象から免除する措置も取られている(2022年12月2日記事参照)。

(注4)北京市朝陽区などにおいては依然多くの飲食店において店内飲食の提供が停止されている状態にある(12月6日正午時点)。

(注5)他方、出勤比率の抑制は依然として求められている(12月6日正午時点)。

(小宮昇平)

(中国)

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