米ノババックスの新型コロナワクチン、日本での接種対象年齢を18歳以上から12歳以上へ引き下げ

(米国、日本)

米州課

2022年07月26日

厚生労働省は720日、薬事・食品衛生審議会の医薬品第2部会を開催し、武田薬品工業が国内で製造・販売を行う米国ノババックスの新型コロナウイルスワクチン(注1)について、接種対象年齢を18歳以上から12歳以上へ引き下げることを承認した。

ノババックスの新型コロナワクチンについて、厚生労働省は2022419日に、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカのワクチンに続く国内4例目のワクチンとして薬事承認しており(2022年4月19日記事参照)、5月末から自治体が開設する接種会場などで接種が開始されている。

ノババックス製ワクチンは、ファイザーやモデルナの「mRNAワクチン」やアストラゼネカの「ウイルスベクターワクチン」とは異なり、不活性ワクチンの一種の「組み換えタンパクワクチン」という種類のワクチン。組み換えタンパクワクチンは、これまでにもB型肝炎ウイルスワクチンなど、他のワクチンで広く使用実績があることから、米国疾病予防管理センター(CDC)は720日、同ワクチンを他のコロナワクチンより「なじみ深い」技術を使ったワクチンと評価し、18歳以上を対象に接種を推奨すると発表した(2022年7月21日記事参照)。

日本国内では、ファイザーとモデルナの新型コロナワクチンの初回接種(1回目・2回目接種)の対象年齢は12歳以上となっている。一方、アストラゼネカのワクチンは40歳以上(注2)となっている。ノババックス製ワクチンの対象年齢は18歳以上としていたが、ファイザーとモデルナの水準に引き下げたかたちだ。なお、ファイザーは5歳以上12歳未満を対象とした小児接種についても、2022120日に厚生労働省の薬事承認を取得しているほか、生後6カ月以上5歳未満を対象とした小児接種も714日に厚生労働省に薬事申請している(2022年7月15日記事参照)。

(注1)ワクチンの特徴、接種の回数と間隔、有効性、安全性など詳細については厚生労働省ホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(注2)厚生労働省は、特に必要がある場合は18歳以上に限り接種可能としている。

(葛西泰介)

(米国、日本)

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