4月の日本の対中国貿易、封鎖措置の影響も受け輸出、輸入とも2桁減

(中国、日本)

中国北アジア課

2022年06月01日

ジェトロがGlobal Trade Atlas(グローバル・トレード・アトラス)を基に、日本の対中国貿易(ドルベース)をまとめたところ、4月は対中輸出、輸入とも前年同月比で2桁減少した(添付資料図参照)。中国では、新型コロナウイルスのオミクロン株による感染が拡大した2022年以降、複数地域で感染拡大例が発生し(2022年5月30日記事参照)、上海市は3月28日から市内を東部(浦東、浦南地区、周辺地域)と西部(浦西地区)に分けて2段階で封鎖、その後全市を封鎖管理下に置き、同市と中国の経済に大きな影響を与えた(2022年4月15日付地域・分析レポート2022年5月11日付地域・分析レポート2022年5月20日記事2022年5月30日記事参照)。物流面や生産面で制限が課されたことを背景に、4月の日中貿易にもその影響がみられた。

4月の日本の対中輸出額は前年同月比18.8%減の117億8,310万ドル、輸入額は18.5%減の131億1,625万ドルだった。1~4月期でも、輸出額が前年同期比6.9%減の489億4,137万ドル、輸入額は0.3%減の608億5,583万ドルと、いずれも減少した。

4月の貿易を品目別でみると、対中輸出額上位10品目(HSコード4桁ベース)のうち9品目が前年同月比で減少、うち8品目の減少幅が2桁となった。1位は乗用自動車その他の自動車(8703)で、前年同月比24.2%減の6億9,560万ドル、2位は半導体、集積回路またはフラットパネルディスプレーの製造用機器(8486)で、50.4%減の6億3,607万ドルとなり、寄与度はそれぞれマイナス1.5ポイント、マイナス4.5ポイントとなった。機械類(8479、前年同月比34.3%減の2億4,393万ドル)もマイナスの寄与が目立った。コンデンサー(8532)は上位10品目の中で唯一増加した(添付資料表1参照)。

対中輸入額上位10品目(HSコード4桁ベース)をみると、8品目が前年同月比で減少、うち7品目の減少幅が2桁となった。1位は電話機およびその他の機器(8517)で、前年同月比32.5%減の13億6,620万ドル、2位は自動データ処理機械(8471)で、17.4%減の10億7,611万ドル、寄与度はそれぞれマイナス4.1ポイント、マイナス1.4ポイントだった。エアコンディショナー(8415、前年同月比30.8%減の1億8,786万ドル)、モニター、プロジェクターおよび受像機器(8528、31.7%減の1億7,997万ドル)も、マイナスの寄与が目立った。一方、集積回路(8542)、ダイオード、トランジスターなど(8541)は増加した。

(宗金建志)

(中国、日本)

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