物流の滞りの解消、産業チェーン・サプライチェーンの安定に向けた措置発表

(中国)

北京発

2022年04月21日

中国の劉鶴副首相は4月18日、滞りない物流の確保や産業チェーン・サプライチェーンの安定化に向けたテレビ会議に出席し、関連措置を発表した。措置の主な内容は以下のとおり(「新華社」4月18日)。

  1. 物流業従事者の生活条件を改善するとともに、ローンの返済猶予など金融面での支援を行う。
  2. 全国統一の通行証を十分な量発行・使用する。
  3. 48時間以内のPCR検査結果を全国で相互認証する。
  4. 「バブル方式」管理により、PCR検査の検体採取後すぐに移動できるようにする。
  5. PCR検査結果が出ていないことを理由とした通行制限を禁じる。
  6. 2,000億元(約4兆円、1元=約20円)の科学技術イノベーション関連企業への再貸し出し〔注〕と交通・物流分野への1,000億元の再貸し出しを通じて、1兆元規模の資金活用につなげる。
  7. 自動車、集積回路、家庭用電気機械器具、設備製造、農業用物資、食品、医薬品などの重点産業と輸出入企業のホワイトリストを作成する。

中国では、上海市を中心とする新型コロナウイルス感染急拡大を受け、各地で物流やサプライチェーンが混乱し、日系企業をはじめとする企業の生産などにも影響が生じている(2022年4月12日記事4月14日記事4月18日記事参照)。中国政府はこうした状況を受け、新型コロナウイルス感染の影響下でも物流が保障されるよう対策を強化している(2022年4月13日記事参照)。

〔注〕中国人民銀行(中央銀行)による商業銀行への貸し出し。商業銀行などが対象分野の企業に貸し出しを行った後、条件を満たした融資について、中国人民銀行が商業銀行などに規定された金額を貸し出す。

(河野円洋)

(中国)

ビジネス短信 7756f18e8e1b8a3a