メコン各国、新型コロナ対策の入国制限・水際措置の緩和の動き続く

(ASEAN、タイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー)

アジア大洋州課

2022年03月25日

ジェトロは、アジア太平洋地域の新型コロナウイルスに関する直近の主要な動きをまとめた。メコン諸国では、入国制限・水際措置の緩和の動きが継続。カンボジアでは3月17日、到着前72時間以内のPCR検査による陰性証明書の提示や入国時の抗原検査を同日から廃止し、VOA(アライバルビザ)受け付けを再開すると発表した。ミャンマーでは、国際旅客便の運航を4月17日から約2年ぶりに再開すると発表した。また、各国でワクチンのブースター接種の動きも加速している(3月24日時点)。

各国の主要動向は以下のとおり。

〇カンボジア

保健省は3月17日、カンボジア到着前72時間以内のPCR検査による陰性証明書の提示や入国時の抗原検査を同日から廃止し、VOA(アライバルビザ)受け付けを再開すると発表(「クメール・タイムズ」紙、保健省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

3月21日時点で1回以上ワクチンを接種した人口の割合は92.5%(約1,479万人)。うち2回目接種完了者は約1,391万人、3回目接種者は約782万人、4回目接種者は約113万人(保健省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

〇ミャンマー

新型コロナ予防・制御・治療国家中央委員会は3月18 日、国際旅客便の運航を4月17日から再開すると発表。新型コロナウイルス感染拡大に伴って2020年3月末から講じてきた水際措置を約2年ぶりに緩和。今回の緩和により、往来の促進が期待される一方で、現在、原則として停止している入国査証(ビザ)の発給再開については示されておらず、今後のビザ緩和の動向が注目される(2022年3月23日記事参照)。

〇タイ

保健省は、4月のソンクラン(旧正月の水かけ祭り休暇)までに高齢者の70%が3回目のワクチン接種を終えることを目標に設定。2021年はワクチン不足を背景に、ソンクラン後に感染者数と死亡者数が急増したことが理由(4月22日付「バンコク・ポスト」紙)。また同省は免疫効果を高めるため、ブースター接種(3~4回目)については、1~2回目とは異なる種類のワクチンを接種することを推奨している(「クルンテープ・トウラキット」)。

〇ベトナム

ファム・ミン・チン首相は3月19日、成人への4回目の接種や未成年への3回目の接種、3~5歳の子供に対する接種について研究し、ワクチンの生産や購入、接種を促進するよう、保健省に指示(保健省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

同国のワクチン接種状況は、21日までに1回目接種が7,970万1,388人(総人口の82%)、2回目接種が7,620万678人(同78%)、3回目接種が4,612万7,265人(同47%)(3月22日付保健省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

〇ラオス

保健省は、新型コロナウイルス感染症による死亡者数が減少していることから、新型コロナウイルス感染症を「エンデミック」(一定の季節や地域に流行する感染症)と見なす措置について検討中(3月21日付「ビエンチャン・タイムズ」紙)。なお、ベトナムでも同様にチン首相が3月3日、新型コロナウイルス感染症を「エンデミック」と見なすことについて、保健省に検討を指示している(2022年3月9日記事参照)。

各国の感染状況や現地の行動制限、空港の再開状況、経済活動の制限などについては、アジアにおける新型コロナウイルス対応状況でも直近の状況をまとめている。

(三木貴博)

(ASEAN、タイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー)

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