バングラデシュの経済成長率・インフレ率、IMFが確定値と予測を発表

(バングラデシュ)

ダッカ発

2024年04月23日

IMFは4月16日に発表した「世界経済見通し(2024年4月17日記事参照)」で、バングラデシュの2022/2023年度(2022年7月~2023年6月)の実質GDP成長率を前年度比6.0%、インフレ率の年間平均を9.0%と発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。併せて2023/2024年度(2023年7月~2024年6月)の実質GDP成長率は5.7%、インフレ率は同9.3%と予測。インフレ率は前回2023年10月の同予測値(7.9%)から1.4ポイント引き上げられ、2024年のアジアの新興・途上国の年間の平均値予測2.4%(注)の4倍近くの高い数値となった。

バングラデシュではインフレ率の高止まりが続く。政府統計局によると、2024年2月に9.67%(前年同月比)とわずかに低下していたところ(2024年3月22日記事参照)、3月は9.81%(前年同月比)まで再上昇し、都市部に限ってみれば9.94%に達している。PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)

著名な民間シンクタンク、ポリシー・エクスチェンジ(Policy Exchange of Bangladesh)の創設者兼会長で、世界銀行グループのシニア・エコノミストなどを歴任したマスルール・リアズ氏は、「インフレ抑制をはじめとする金融政策や、対内直接投資(FDI)促進などは、経済成長に関わる構造的な課題であり容易ではないが、政策上の大きなイニシアティブが期待される。その観点からも、大きな節目であるLDC(後発開発途上国)卒業や5年後に予定される次回の総選挙、政権体制の行方はそれら課題への対処に密接に関係する可能性があるだろう」と話す(インタビュー2024年4月18日)。

(注)IMFは国・地域のデータを暦年で並べているが、バングラデシュなど一部の国・地域は例外として年度で記載している。

(山田和則)

(バングラデシュ)

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