BIOFACH2024でデジタルプラットフォームJapan Streetを活用し、商談組成

(ドイツ、日本)

ベルリン発

2024年03月08日

ドイツ南部バイエルン州ニュルンベルクで2月13~16日、世界最大級のオーガニック(有機)食品見本市「ビオファ(BIOFACH)2024」が開催され、ジェトロはジャパンパビリオンを出展した(2024年3月8日記事参照)。ドイツのバイヤーとの商談の様子を中心に紹介する。

調査会社スタティスタによると、ドイツの食品業界は2023年に、オーガニック食品の販売で約160億8,000万ユーロの売上高を達成した。これは前年比5%増に相当し、過去10年間でドイツ国内の有機食品の売上高は2倍以上に増加した。2009年の金融危機以降、毎年4~11%の成長率で売上高を伸ばし、新型コロナウイルスが流行した2020年には売上高は前年比22%増となった。スイスにある有機農業研究所(FiBL)と国際有機農業運動連盟(IFOAM)によると、ドイツの有機食品の市場規模(2021年)は、米国(486億ユーロ)に次いで、世界2位(159億ユーロ)だ。また、マーケティング関連のニュースサイト、マーケティング・ベルゼに掲載された、ドイツの調査会社EHI小売研究所発のレポートでは、ドイツにおける上位10のオーガニックスーパーマーケットの2024年の店舗数は、ドイツ全国で712店と紹介されている。

今回ジェトロは、ジャパンパビリオンでの商談機会を充実させるため、アヌーガ(ANUGA)2023に引続き(2023年10月26日記事2023年10月31日記事参照)、ビオファ2024でもジャパンパビリオンの希望企業を対象に、Japan Streetと連動した商品カタログを、欧州や北米のバイヤーに事前配布した。Japan Streetに商品ごとの情報(対象市場や規制やパッケージ、デザインなど)を掲載し、会期前からバイヤーからの商談予約を受け付けた。

たとえば、フランクフルト近郊に倉庫と食品工場を構え、日本の食品をオンラインで販売する「UMAKIYA」の柴ありさ氏は、ビオファの会期前にJapan Streetで出展企業を閲覧し、その中から選んだ「KYOUZUKE」「出羽弥兵衛」「寺岡有機醸造」との商談を行った。柴氏は、それぞれの企業との取引が決定し、短時間の滞在でも効果的な商談ができたとの感想を述べた。

また、ブレーメンで有機食品販売の「RUGER Bio Feinkost」を経営するベルンハルト・ルシン氏は、会期2日間に「むそう商事」を訪れ、高級ラインの商品を中心に商談を行った。この他にも多くのバイヤーが事前にJapan Streetを閲覧し、商品を選んだ上で会場を訪れる様子が見られた。

ジャパンパビリオン出展者からは、ドイツのバイヤー以外にもEUの他の国からのバイヤーもブースを訪れ、引き合いがあったとの声があった。山形県産庄内米や米粉、甘酒を取り扱う「出羽弥兵衛」のブースには、ベルギーのパン製造会社が訪れ、「通常の小麦粉を使用するクロワッサンから、グルテンフリーのクロワッサンの製造への完全シフトを考えており、そのために米粉を探しに見本市に来た」と話したという。

今回のビオファ会場では、有機認証マークだけでなく、ビーガン認証やグルテンフリーマークをつけた食品が目立っていた。 有機食品を好む消費者や、卵や乳製品にアレルギーを持つ人たち、ベジタリアンなどの間では、動物性原料を一切使用していない食品であるビーガン食品も好まれている。また、欧米では一般的になっているグルテンフリー食品でもまた、有機グルテンフリー商品が普及している。

写真 ジャパンパビリオンでの商談の様子(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオンでの商談の様子(ジェトロ撮影)

(小飼志保)

(ドイツ、日本)

ビジネス短信 08e2c3d0bd9951f7