インドネシア、EVの完成車輸入にかかる減免措置などを規定

(インドネシア)

ジャカルタ発

2024年01月15日

インドネシア政府は2023年12月29日、電気自動車(EV)の完成車および部品の輸入にかかる輸入税や奢侈(しゃし)税を免除することを規定した投資大臣規則2023年6号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公布した。公布から15日後の2024年1月13日に施行され、2025年12月31日まで有効とされる。バッテリー電気自動車(BEV)の開発促進に関する大統領令2023年第79号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の細則にあたる(2023年12月25日記事参照)。

本規則が定める条件を満たせば、一定数の完成車(CBU)を輸入する際の関税および奢侈税が免除される。また、国産化率(TKDN)が20%以上40%未満の車種は、完全ノックダウン(CKD)方式の部品を輸入する際の関税および奢侈税が免除される。

税優遇の対象となる事業者は、インドネシア国内で、新たに生産設備を建設しEVの生産を予定している企業、既存の内燃自動車生産設備の一部あるいはすべてをEV生産設備に転換する企業、生産計画および生産能力を拡充するため既存のEV生産設備を増強する企業とされた。

なお、本優遇措置の適用を受けるためには、遅くとも2026年1月1日までに商業生産の準備を完了する、2027年までに生産を開始する、大統領令に規定されたTKDNの要件を満たすことが求められ、同事項を履行できなかった場合には罰金が科せられる。

現地紙「コンパス」は、本投資大臣規則の施行により、奇瑞汽車(チェリー)、合衆新能源汽車(NETA)、東風小康汽車(DFSK)、上海汽車傘下のMG、長城汽車(GWM)の少なくとも5つの中国企業が恩恵を受ける可能性があるとした(「コンパス」1月9日)。本優遇措置がEVのサプライチェーン全体で存在感を増す中国企業(2024年1月10日付地域・分析レポート参照)などのBEV販売をどの程度押し上げることになるのか、今後の動向が注目される。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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