欧州委、新型コロナ・オミクロン株派生型XBB.1.5対応ワクチンを承認

(EU)

ブリュッセル発

2023年09月05日

欧州委員会は9月1日、新型コロナウイルスのオミクロン株派生型XBB.1.5に対応した米国ファイザーとドイツ・ビオンテック製のワクチンを承認した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。EUの医薬品当局の欧州医薬品庁(EMA)が8月30日に発表した承認勧告を受けたもの。ファイザー・ビオンテック製ワクチンとしては、最初に承認された従来株対応型(2020年12月23日記事参照)、オミクロン株派生型BA.1対応ワクチン(2022年9月5日記事参照)、オミクロン株派生型BA.4・BA.5対応ワクチン(2022年9月14日記事参照)に続くものだ。

今回承認したワクチンに関して、欧州委は、新型コロナワクチンの接種歴に関係なく、ワクチン接種が必要な5歳以上を対象に、1回接種を実施すべきとしている。ただし、接種自体は生後6カ月以上から認められる。

EMAとECDC、秋以降のワクチン接種にXBB.1.5対応ワクチン使用を推奨

今回の承認に先立ち、6月6日に発表したEMAと欧州疫病予防管理センター(ECDC)による共同勧告(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、直近の疫学的状況やこれまでに獲得した免疫の状況などを考慮すると、XBB.1.5に特化したワクチンは、現在主流となっている変異型や今後拡大する可能性のある変異型に対する合理的な選択肢という。

EU加盟国当局が冬季に向けて秋以降に実施するとみられるワクチン接種計画について、EMAとECDCは、60歳以上の高齢者、免疫不全疾患や基礎疾患のある人、妊婦に対する優先的なワクチン接種を実施すべきとしている。また、医療従事者に対する優先接種も検討すべきとしている。さらに、80歳以上や免疫不全疾患のある人など、特にリスクの高い人に関しては、4カ月以上の間隔で追加接種が必要になる場合があるとしている。

(吉沼啓介)

(EU)

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