シーメンスとアリババ、AI分野の協力協定を締結

(中国、ドイツ)

北京発

2023年07月10日

ドイツの電機大手シーメンスとアリババのクラウドサービスを手掛ける阿里雲(アリババクラウド)は6月30日、人工知能(AI)大規模言語モデルを使ったイノベーション探索に関する戦略的協力協定を締結した。

同協定により、アリババクラウドは正式に、オープンデジタルビジネスプラットフォームであるシーメンスXceleratorのエコシステムにおけるパートナーとなる。同時に、シーメンスはアリババクラウドのAI大規模言語モデル「通義大模型」を活用し、Xceleratorオンラインプラットフォームのユーザー体験を最適化・強化する。

両社は今後、シーメンスのXceleratorとアリババクラウドのAI大規模言語モデルに基づき、工業など多くのシーンにおけるAIの応用とイノベーションを共同で探索し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させるとしている。

発表によれば、シーメンスは2022年11月にXceleratorを中国に導入して以来、現地市場のニーズに沿ったオープンなエコシステムを構築し続けている。現在、同プラットフォームは現地で開発された10件以上のイノベーションソリューションの立ち上げに成功している。また、エコシステム構築の面では、Xceleratorの中国における登録ユーザー数は急速に増加しており、デジタルインフラ、産業ソリューション、コンサルティングサービス、教育などの分野における30社近くのエコシステムパートナーがいる。

シーメンスは、中国国家発展改革委員会の鄭柵潔主任が2023年6月にドイツを訪問した際、同委員会と結んでいた覚書(MOU)を更新し、特にデジタル化などの分野において協力を強化するとしていた(2023年6月27日記事参照)。

なお、デジタル関連以外では、グループ会社のシーメンスヘルスケアによる上海市での診断用医薬品の生産・開発拠点の本格稼働(2023年6月14日記事参照)や、広東省深セン市での先端医療設備の研究開発・製造拠点設立(2023年5月29日記事参照)など、同グループは積極的に対中投資を進めている。

(趙薇)

(中国、ドイツ)

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