英政府、シンガポールとグリーン経済分野の協力強化に向け覚書締結

(英国、シンガポール)

ロンドン発

2023年03月09日

英国政府は31日、シンガポール政府とグリーン経済枠組みに関する覚書署名した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます英国政府プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同覚書では、経済活動の脱炭素化を促進し、経済成長への貢献、グリーン分野での雇用創出につながる分野での2国間協力を進めるとしている。

覚書では、以下の3つの協力分野を柱としている。

グリーン輸送:

航路全体で脱炭素化を行うグリーンデジタル海運回廊を含む海事輸送の脱炭素化。

持続可能な航空燃料、カーボンクレジット、グリーンな空港に関するイニシアチブを含む航空輸送の脱炭素化。

国際フォーラムでの協力。

ゼロエミッション車(ZEV)と充電設備に関する戦略と法制。

低炭素エネルギー技術:

低炭素水素技術の発展と水素経済の拡大に資する認証、基準、規制などの開発。

炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)の政策、規制や技術に関するベストプラクティスの共有やさらなる協力分野の特定。

系統連系、クロスボーダーの電力取引、エネルギー貯蔵システムやスマートグリッド技術といった電力システムのレジリエンスや柔軟性向上につながるソリューションに関する政策、規制、技術。

炭素市場・サステナブルファイナンス:

炭素市場の透明性強化や、信頼ある国際炭素市場を通じた気候変動対応、関連目標の発展に向け、2国間協力や多国間イニシアチブを活用。

毎年開催される英・シンガポール金融対話(20221128日記事参照)、を通じたサステナブルファイナンスの協力。

これらの柱について、両国は活動計画(ワークプラン)を策定し、優先活動や目標を策定するとしている。さらに、両国は政府、アカデミア、経済界の間の連携を支援する活動を検討するとしている。具体的には、情報交換、技術規制に関する対話、規格開発、ビジネスマッチング、共同イノベーション、中小企業のグリーン関連能力開発などが含まれている。

なお、両国は20222月にデジタル経済協定(DEA)を締結している(202231日記事参照)。また、シンガポールは、202210月に世界初のグリーン経済協定(GEA)をオーストラリアと締結している(20221027日記事参照)。

(レイナー・あや)

(英国、シンガポール)

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