ラオス・ボーテン中国国境で人の往来が再開

(ラオス、中国)

ビエンチャン発

2023年01月19日

ラオス北部ルアンナムター県ボーテンと中国雲南省モーハンをつなぐ国際国境で1月8日、人の往来が再開された。中国政府が新型コロナウイルス感染の管理区分を変更したことに伴うもの(2022年12月28日記事参照)で、約3年ぶりの再開となった。新型コロナ感染拡大時は原則として物流輸送のみが認められていた。ラオス政府は2022年5月初旬に国際国境を全面再開し(2022年5月10日記事参照)、12月23日から入国時のワクチン接種証明書の提出、または、出発前48時間以内の抗原検査(ATK)の証明書提出も不要とした。一方で、中国政府による新型コロナ対策により、中国への入国時は一定期間の隔離といった厳しい感染予防措置を講じる必要があった。

ジェトロが1月10日にボーテン国境管理委員会のウドム・セングカムボン副委員長にヒアリングを行ったところ、同国境の開庁時間は午前7時半から午後4時半まで(ラオス時間)。再開初日の1月8日から10日の3日間に、ラオスへの入国は2,188人(うち中国人1,258人、ラオス人929人、それ以外の国籍者1人)、中国への出国は3,184人(中国人1,919人、ラオス人1,257人、それ以外の国籍者8人)だった。この3日間は、ラオスに滞在していた中国人が帰国する動きが目立った。一方で、ラオス人の中国への出国では、ボーダーパス(注)によるものが1,224人と全体の97%を占めた。これは、中国側が観光ビザや留学ビザなどの発行を停止していることが要因だ。なお、ラオス国営航空が中国との航空便増便を計画するなど、ラオス側では陸路以外でも本格的な往来再開に向けた準備が進められている(「ビエンチャン・タイムズ」紙1月12日)。また、中国ラオス鉄道による国際乗客輸送は現時点では開始されていないが(2022年11月30日付地域・分析レポート参照)、運行開始に向けた議論が行われる予定だ。

(注)ボーダーパスとは、2国間協定によりパスポート同様に渡航先国への身分証明となる書類だが、陸路国境を接する相手国の一定地域のみへの渡航に制限される。

(山田浩平、パーソン・ワントゥアソン)

(ラオス、中国)

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