四川省と成都市、第3四半期経済指標に新型コロナ防疫措置の影響も
(中国)
成都発
2022年11月09日
中国の四川省統計局は10月25日に、また成都市統計局は29日にそれぞれ2022年1~9月の主要経済指標を発表した。四川省の1~9月の実質域内総生産(GRP)は4兆432億8,000万元(約80兆8,656億円、1元=約20円)で成長率は1.5%となり、中国全体の3.0%(2022年10月25日記事参照)を下回った。四川省の省都である成都市の1~9月のGRPは1兆4,929億7,200万元、成長率は1.5%だった。
四川省の1~9月の工業生産増加額(付加価値ベース)は前年同期比2.4%増(成都市は4.8%増)となった。うち、電子・通信設備製造業は24.4%増、パソコン・事務用設備製造業は3.9%増だった。四川省の1~9月の発電量は3,495億2,000万キロワット時(kWh)で、発電量の伸びは前年同期比12.4%増となった。一方、水不足で発電量が減少した9月単月の発電量は385億9,000万kWhと、前年同月比で17.8%減少した。
成都市で9月に実施された新型コロナウイルスの感染拡大に伴う封鎖管理措置(2022年9月2日記事、2022年9月6日記事参照)は、四川省および成都市の消費に大きな影響を与えた。社会消費品小売総額は、1~9月の中国全体が前年同期比0.7%増の32兆305億元だったのに対し、四川省は0.2%減の1兆7,345億3,000万元、成都市は1.9%減の6,565億8,000万元となり、いずれもマイナスの伸びになった。四川省の9月単月は前年同月比5.9%減の1,827億元となったほか、飲食業収入も14.3%減の236億7,000万元で、特に打撃が大きかった。
四川省の1~9月の輸出入総額は前年同期比9.8%増の7,349億6,000万元となった(成都市は5.3%増の6,175億4,000万元)。うち、輸出が13.6%増、輸入が4.5%増だった。
四川省統計局は、今夏の電力制限による企業活動の停滞と新型コロナウイルスの感染拡大などが同省経済に影響を与えたが、その影響は一次的なもので、同省の経済基盤は依然として固く、下押し圧力に耐えて徐々に回復することが期待できるとの見方を示している。
重慶市統計局は10月26日、2022年1~9月の主要経済指標を発表した。重慶市の1~9月のGRPは2兆835億600万元で成長率は3.1%となり、中国全体とほぼ同程度の成長率だった。工業生産増加額(付加価値ベース)は前年同期比4.0%増となった。新エネ車や工業用ロボットはそれぞれ2.5倍と38.9%増の高い伸びをみせ、引き続き同市の経済成長の牽引役を担った。
(趙玉蘭)
(中国)
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