中国小売100強企業リストを公表、実店舗からの即時配達サービスを強化

(中国)

上海発

2022年09月14日

中国商業聯合会(CGCC)と中華全国商業信息センター(CNCIC)は8月25日、「2021年度中国小売100強企業リスト」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。中国小売100強企業(以下、100強企業)の総販売額は前年比14.1%増の12兆1,000億元(約242兆円、1元=約20円)に達した。社会消費品小売総額(44兆823億元)に占める割合は、前年から1.2ポイント増の27.5%となった。

主要EC(電子商取引)企業の成長率はやや鈍化した。ECトップ企業の天猫(1位)、京東(2位)、●(手へんに并)多多(3位)、唯品会(6位)の4社の合計売上額は前年比19.3%増の9兆4,000億元だった。伸び率は前年の30.1%から10.8ポイント減少した(添付資料表1参照)。また、これら4社を除く、実店舗を経営する96社の売上総額は0.8%減となった。96社のうち、前年に比べて販売額が増加した企業は67社で、合計販売額は13.6%増だった。ウォルマート(10位)、世紀聯華(33位)などの小売企業は、オンライン上で注文を受け、実店舗から配達するサービスを提供し、即時に消費者の購買ニーズに応えたことで、実店舗の業績回復に貢献したとみられる(「央広網」2022年8月24日)。

100強企業にランクインした日系企業をみると、永旺(中国)投資(イオン)が29位(284億元)、羅森(中国)投資(ローソン)が56位(105億元)、中国全家(ファミリーマート)が58位(96億元)、●(さんずいに七、下に木)一拾壹(中国)投資(セブン-イレブン)が65位(79億元)、成都伊藤洋華堂(イトーヨーカドー)が81位(52億元)だった(添付資料表2参照)。イオンとローソンは100強リストにおける順位が2020年に比べ上昇かつ、販売額の伸び率も拡大した(2021年8月10日記事参照)。

なお、足元では、中国各地での新型コロナウイルス感染拡大の発生により、国内消費は減速傾向にある(2022年8月16日記事参照)。一部地域では外出制限などの措置が導入される中(2022年9月5日記事2022年9月6日記事参照)実店舗の小売業の業績が悪化する懸念が高まっている。

(王艶)

(中国)

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