米USTR、医療製品への対中追加関税の適用除外を延長、11月30日まで

(米国、中国)

ニューヨーク発

2022年05月30日

米国通商代表部(USTR)は5月27日、1974年通商法301条に基づいて中国原産の輸入品に課している追加関税(301条関税)について、適用除外対象となっている新型コロナウイルス対策用の医療関連製品81品目の除外期限を5月31日から11月30日まで延長すると発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。今後、正式に官報で公示する。

USTRは今回の延長について、新型コロナウイルス感染対策の継続的な取り組みを考慮して決定したとしている。USTRはもともと、新型コロナウイルス感染対策用の医療関連製品99品目を適用除外対象としていたが、そのうち18品目は2021年11月30日に期限が切れ、残りの81品目の期限が2022年5月31日に迫っていた(2021年11月15日記事参照)。USTRは必要に応じてさらなる延長などを検討するとしている。

現在301条関税の適用除外対象となっているのは、医療関連製品81品目のほか、3月に適用除外の復活が認められた352品目(2022年3月24日記事参照)。これら352品目の除外期限は2022年12月31日となっている。

USTRは5月に通商法に基づく301条関税の見直し手続きを開始した(2022年5月6日記事参照)。現在、手続きの第1段階として、301条関税から恩恵を受け、同関税の継続を要望する産業界からのコメントの提出を受け付けている(注)。USTRのポータルサイトによると、5月27日時点で16件のコメントが提出されている。

(注)コメント提出期間は、301条関税のリスト1(対中輸入額340億ドル相当の818品目)については5月7日~7月5日、リスト2(160億ドル相当の279品目)については6月24日~8月22日となっている。

(甲斐野裕之)

(米国、中国)

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