新型コロナ感染減でバングラデシュからの入国者の水際措置緩和、労働者派遣増に向けた動きも

(バングラデシュ)

ダッカ発

2022年03月08日

バングラデシュでは新型コロナウイルス新規感染者と陽性率の減少傾向が続く(2022年3月4日記事参照)中、各国で同国からの入国者に対する水際措置の緩和や、出稼ぎ労働者の受け入れに向けた動きがみられる。

フランス政府は3月4日以降、バングラデシュに対する水際措置を緩和し、同国を感染拡大がみられる「オレンジ」リストから「グリーン」リスト(「オレンジ」リストの対象国以外)に変更外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(「デーリー・スター」紙2022年3月4日)。従来、バングラデシュから渡航するワクチン未接種者には、渡航前72時間以内に実施したPCR検査または48時間以内に実施した抗原検査の陰性証明書の提示に加え、入国時にスクリーニング検査を実施していたが、これにより同検査の対象外となった。なお、フランス政府は全世界からの入国に際し、ファイザー製とモデルナ製、アストラゼネカ製、ジョンソン・エンド・ジョンソン製ワクチン接種完了者の場合はワクチン接種証明書を提示すれば、出国前PCR検査の陰性証明書提示や空港到着時のスクリーニング検査、入国後の自己隔離を免除している。

バングラデシュにとって最大の出稼ぎ労働者の派遣先国であるサウジアラビアは3月5日、新型コロナウイルス感染拡大防止策の一部緩和を発表(2022年3月7日記事参照)。バングラデシュ海外雇用省の統計外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2021年暦年(1~12月)では、同国に対し45万7,227人(前年比2.8倍)が派遣されており、2022年(1~2月)も国別で最多となる12万7,187人(全体の約63%)の派遣者数が報告されている。在バングラデシュのサウジアラビア大使館は3月2日、1日当たりで過去最大となる1万2,300件数のビザを発給し、現在230万人を超えるバングラデシュ人労働者が同国の幅広い産業に従事していると報じた(「プロトムアロー」紙2022年3月2日)。同国への労働者派遣は、郷里送金の動向(2022年2月9日記事参照)に密接に関わるとみられ、今後の動向が注目される。

(山田和則)

(バングラデシュ)

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