日本、モンゴルの新型コロナ感染危険情報を渡航中止勧告該当のレベル3に引き上げ

(モンゴル、日本)

北京発

2021年05月21日

日本政府は5月18日、モンゴルの新型コロナウイルス感染症危険情報を、不要不急の渡航を控えるレベル2から渡航中止勧告に該当するレベル3に引き上げた。翌19日には新型コロナウイルス感染症対策本部で、モンゴルを含む7カ国に14日以内に滞在歴のある外国人は特段の事情がない限り、入国拒否対象とすることを決定した(特別永住者は対象外)。同措置は5月21日午前0時から実施された。

一方、モンゴル政府は5月8日午前6時に4週間続いた外出禁止令を解除し、警戒レベルを全国警戒態勢(警戒レベル4:赤)から高度警戒準備態勢(警戒レベル3:オレンジ)に引き下げた(警戒レベルの段階と移行条件、各段階の制限措置については2021年2月25日記事参照)。1日当たりの新規陽性者数は一時1,000人を超えていたが、5月11日以降は500人前後に減少、5月18日時点では400人を下回った(添付資料図参照)。また、5月18日時点のモンゴル国内の累計陽性者数は4万9,524人で、うち回復者は4万2,721人、死者212人となっている。

外出禁止令解除後もバーやカラオケ、ゲームセンターなど人が多く集まる業種は引き続き営業が禁止・制限しているが、5月15日以降は、喫茶店(着席率50%以下)、学習塾・研修所(10人以下)、フィットネスクラブ(稼働率50%以下)は、2回目のワクチン接種後14日以上経過した人を対象に営業を許可している。ワクチン未接種者や2回目接種から14日経過していない利用者は、喫茶店についてはテークアウトのみ利用可能、学習塾やフィットネスは利用不可。

なお、5月17日時点で、モンゴル国内の179万2,657人(接種対象者の86.7%)がワクチンの1回目接種を完了、そのうち65万1,588人(同31.5%)は2回目の接種も完了している(注)。ワクチン接種者は接種証明を電子政府ポータルサイトまたはモンゴル国内各所に設置されている電子端末から入手できる。

政府は2回目のワクチン接種を受けた国民に5万トゥグルク(約1,900円、1トゥグルク=約0.038円)の支給を決定、経済活動を回復させるため、2021年前半までに目標とする人口約330万人の60%に接種を完了するよう国民に働きかけるとした。

空路再開は6月に延期

外国との往来について、モンゴル政府は5月1日から空路での外国人の入国を許可する予定だった(2021年4月28日記事参照)が、国内の感染状況を考慮し、6月上旬まで延期することを決定した。モンゴル外務省は、モンゴルが発行したワクチン接種証明の承認について各国と協議中と発表している。

(注)5月6日時点で、モンゴルは約290万本の新型コロナウイルスワクチンを確保しており、そのうち90%以上が中国シノファーム製ワクチン。

(藤井一範)

(モンゴル、日本)

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