ヨルダン、レバノンで新型コロナ感染拡大、再度の外出制限など実施

(ヨルダン、レバノン、エジプト)

カイロ発

2020年11月12日

ヨルダンでは、11月10日に新型コロナウイルスの1日当たり新規感染者数が過去最多の5,996人となり、レバノンでは、同6日に過去最多の2,142人を記録した。両国で急速に感染が拡大しており、さらなる拡大防止のため、一度は緩和された外出制限などの措置が再度実施される。

ヨルダンで11月10~15日に外出禁止令

ヨルダンでは、9月に国際線を再開したものの、10月以降は感染者数が増加している(2020年10月29日記事参照)。保健省の「新型コロナウイルス関連ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によると、感染者累計は10月14日に3万550人、27日に5万8,855人だったが、11月10日には12万982人となり、1カ月で約4倍、2週間でほぼ倍増となった。死亡者累計は11月10日時点で1,386人となった。11月10日に議会選挙を実施したため人出が多くなり、さらなる感染拡大が危ぶまれたため、政府は選挙終了後の10日午後11時~15日午前6時までの外出禁止令を発出した。医療関係者、警備、水やガスの配給者などのみ、最低限の外出が許可される。国際線や貨物便は運航しており、陸路の入国や貨物の輸送も可能となっている。

レバノンで約2週間の外出制限措置を実施予定

レバノン保健省の「新型コロナウイルス関連ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によると、10月以降は1日当たり新規感染者が連日1,000人以上で推移しており、11月10日時点の感染者累計は9万6,907人、死亡者累計は749人となった。政府は10月に特定の地区への移動制限を実施したが、感染拡大が続いたため、全国で11月14~30日の外出制限を実施すると発表した。3月や7月の制限(2020年8月7日記事参照)と同様に、夜間外出禁止、集会の禁止、車両運行制限などを実施する見込みだ。陸路や海路の国境や国際線は制限の対象外となる予定だ。財政危機や大規模な爆発事故の影響もあり、2020年の経済成長率はマイナス25%と予測されている(2020年10月29日記事参照)。新型コロナウイルスを含めた多くの課題に対応するため、退陣して3カ月となる内閣の早期の組閣を望む声は多い。

(井澤壌士)

(ヨルダン、レバノン、エジプト)

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