黒龍江省で集団感染が発生、治療中の患者数は国内最多

(中国)

大連発

2020年04月27日

黒龍江省では、4月上旬から始まった新型コロナウイルス感染のロシアからの輸入症例の急増(2020年4月15日付記事参照)に続き、4月中旬から病院での集団感染による国内症例が増加している。米国からの帰国者が感染源となり、ハルビン市の2つの病院で集団感染が発生、4月23日午前0時時点で60人にまで感染が拡がっている。

黒龍江省における新型コロナウイルス感染症の治療中の患者数は、4月24日午前0時時点で430人、中国における治療中の患者総数は同時点で915人となり、黒龍江省が全体の約5割を占め、省・直轄市別で最多となっている。

黒龍江省政府は省内の2級レベル以上の病院において、全ての患者に対し入院前にPCR検査を実施することを求めている。集団感染が発生したハルビン市では、患者と付添人にもPCR検査を実施するとし、場合によってCTや血液検査など追加で求めるなど、厳格な管理体制を導入している。

一方、中国国内では、黒龍江省からの移動者に対する管理を強化する動きが強まっている。例えば、大連市では同省からの移動者に対し、同市に到着するまでの1週間以内に行ったPCR検査結果(陰性)または血清抗体検査結果(陽性)の提示を求めており、ない場合は大連市において検査や隔離を行う。

黒龍江省では2月にも新型コロナウイルスの感染者数が東北地域で突出した時期があり(2020年2月20日付記事参照)、企業の生産や民生関連サービス業の再開が東北3省の他地域と比べ遅れている。王文涛省長は4月21日、第1四半期の経済発展は過去にない厳しい局面に直面しているとし、正常な経済活動の再開に向けて、企業向け支援や就業対策などを強化する方針を示した。

同省では4月20日現在、一定規模以上の工業企業(注)の98.1%を占める計3,436社が操業や生産を再開している。

(注)主要業務の年間売上高が2,000万元以上の企業を指す。

(呉冬梅)

(中国)

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