海外における日本産食材サポーター店認定制度
日本産食材サポーター店インタビュー Japanese Bistro ZEN
和食料理の基礎を守りつつ現地素材との融合を目指す
所在地:オークランド(ニュージーランド)

異食文化の本拠地
人口500万人の若い国ニュージーランド。
最大都市であるオークランドではこの10年程度で一挙に日本食ブームが来ている。和食、和食系フュージョン、ラーメン、うどん、寿司バー、居酒屋など現地の方々に人気がある。
もともと移民国家であるニュージーランドは他民族、他言語国でもあり、異食文化が根強く、特に近年の中国経済の躍進により多くの中国系移民の増加に伴い、日本食ブームが起きていると言っても過言ではない。
先住民族であるマオリ族の伝統料理ハンギを始め、多くの移民者が持ち込んだ伝統料理も多々あり、ヨーロッパ圏、東南アジア圏、東アジア圏など多くの料理を楽しむことが出来る。

和食と現地食材の融合に挑む若きシェフ
そんな経済中心都市オークランド、停泊中のヨットが多く見られるウオーターフロントから一歩裏手の静かな街路樹に囲まれた通りにあるJapanese Bistro ZEN.
経営はラーメン、居酒屋、鉄板焼き、和食レストランなどを運営するDaikokuレストラングループが担当。同グループはすでに日本産食材サポーター店として認定され、多くの和食ファンを魅了している。
当店は開店1年目。若き2人、ヘッドシェフである神部久嗣(写真上)さん、シェフである大江隆宏(写真下)さんを迎え入れる。どんな食材にもトライする精力的な二人、偶然にもお二人とも同郷である埼玉県出身。神部さんは2003年に当地に永住、長年の料理人としての経験を積むが再度クッキングスクールに入学したという異色のヘッドシェフ。和食伝統料理と現地食材との融合を日夜研究している。大江さんは高校卒業式の日にご両親に彼の荷物を勝手に料理店に送られてしまい、無理やり下働きから始めさせられたという経験を持つ。その後転々とレストランを渡り歩き、最後に出会った銀座の有名懐石料理店で和食料理の世界に魅了されシェフの道を歩く。同グループにて労働ビザを取得後に当店のシェフとなる。


先住民族が教えてくれる味
ラグビー大国であるニュージーランドは“カマテカマテ”で知られるマオリ族文化が現在でも国民生活の一部として受け入れられている。特に伝統食文化であるハンギ料理が有名。ハンギ料理とは、地面に掘った穴に焼石を敷いて、鶏肉やラム肉などの肉類やさつま芋、じゃが芋、人参、キャベツなどの野菜を丸ごと入れた籠をその上に置き、樹の葉と土をかぶせて数時間ほど蒸し焼きにした料理。 彼らは何世紀も受け継がれている野生のハーブや天然の食材の食べ方を知り尽くしている。人気であるマヌカハニー、島国ならではの豊富な海産物などがあるが、近代になりラム肉や鹿肉、アボカドオイルや海外からの輸入食材などバラエティーは豊富。
神部、大江両シェフはそれら先住民族が受け継いで来た食材と和の融合を模索し、伝統的な和食料理の基本を取り入れながらも現地でしか手に入らないPikoPiko(大シダ類の新芽)、TuaTua(砂浜に住む貝)、KawaKawa(ハーブ)など多くの現地食材の利用はじめ、世界に誇れるラム肉と和の融合、カルパッチョに使う現地産ならではの香りを放つオリーブオイルなど発見と創作が続く毎日を送っている。下味である醤油、みりん、味噌始め、日本産食材の利用を幅広く行いながらも、多くの先住民族食材、現地特有の食材とのコラボレーションを味わって頂きたいと努力している。

Japanese Bistro Zen
104 Customs Street West, Auckland CBD, Viaduct 1010, Auckland, New Zealand
09-307 0936
http://japanesebistrozen.co.nz/