インドネシア配車大手ゴジェック、フィリピン市場参入へ再申請
(フィリピン)
マニラ発
2019年12月04日
インドネシアの配車サービス大手のゴジェック(Go-Jek)がフィリピン市場参入に向けてフィリピン当局に再申請していることが分かった。11月25日付のフィリピン各紙が報じた。
ゴジェックは2018年にもフィリピン市場参入を図ったが、外資出資比率が40%を超えていたため、公共サービス法に違反するとして営業許可の申請を却下された。1936年に成立した現行の公共サービス法は、フィリピン人もしくはフィリピン人が60%以上出資する企業だけに公益事業の運営・管理業務への参入を認めている。公益事業の定義を定めていないため、配車サービスも公益事業と見なされ、外資参入の妨げとなっている。
ゴジェックのフィリピン現地法人ベロックス・テクノロジー・フィリピンズ・インク(VTPI)は、2018年の営業許可申請の却下を受け、株式の60%をフィリピン企業のペース・クリムソン・ベンチャーズ・コーポレーション(PCVC)に売却することで、再度フィリピン市場への参入申請手続きに入っている。現在のフィリピンの配車サービス市場は、ウーバーの東南アジア事業を買収したグラブの一強状態にあり、ゴジェックがいかに成長するか注目される。
2010年にインドネシアでライドシェアサービスを開始したゴジェックは中国のテンセント、シンガポールのテマセク・ホールディングス、米国のグーグル、地場のアストラ・インターナショナルなどから出資を受け、インドネシア市場ではグラブと競争している。ゴジェックは既にタイやベトナム(2018年9月25日記事参照)、シンガポール(2018年12月7日記事参照)でのサービスを開始しており、近くマレーシアでも事業を開始する見込みだ。
ゴジェックは2019年1月には、ブロックチェーン技術を活用した電子決済サービスを提供するフィリピンのフィンテック企業コインズ・ドット・ピーエイチ(Coins.ph)の株式の過半数を7,200万ドルで取得し、配車サービスとは異なる分野でフィリピンでの活動を既に開始している。
(坂田和仁)
(フィリピン)
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