高度人材の転職時の年収上昇率、2020年は20~40%の見込み

(フィリピン)

マニラ発

2019年12月09日

英国の専門職人材紹介会社ロバート・ウォルターズは11月26日、フィリピンの400社を対象にした調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表し、専門的な技術や知識を持つ高度人材が2020年に転職する際の年収の上昇率は平均で20~40%を見込むと発表した。

特に転職時の年収上昇率最もが高い業種はITセキュリティー、データサイエンス、データエンジニアリング、DevOps(注)エンジニアリングで、平均30~60%の上昇率が見込まれるとしている。ほかには、会計・財務の専門職15~25%、金融サービス30%、人事20~25%、営業・マーケティング20~30%、サプライチェーン・調達・ロジスティックス20~25%とされた。

30~60%の転職時年収上昇率を見込むITセキュリティーなど上記4業種の人材が転職を希望する際の理由は、割合が高い順から「より良い給与」36%、「キャリアアップ」35%、「国際的な仕事に就きたい」12%、「より良い企業文化」5%だった。一方で、現在勤める企業でどの程度の昇給率を確保できれば転職せずにとどまるかとの質問に対し、53%が7~15%、25%が15%超、22%が7%未満と回答した。ただし、ITセキュリティーやデータサイエンス、データエンジニアリング、DevOpsエンジニアリングの人材は、転職時に提示される年収にかかわらず、32%の人材が2年以内に実際に転職している。データサイエンティストが転職時に見込まれる年収は150万~290万ペソ(約315万~609万円、1ペソ=約2.1円)とした。

転職時に20~30%の年収上昇率を見込む営業・マーケティングの人材が転職を希望する際の理由は、割合が高い順から「より良い給与」30%、「キャリアアップ」17%、「より良い企業文化」15%、「国際的な仕事に就きたい」13%だった。一方で、現在勤める企業から転職せずにとどまるとした昇給率は58%が7~15%、24%が7%未満、18%が15%超だった。ただし、営業・マーケティングの人材では、転職時に提示される年収にかかわらず、19%の人材が2年以内に実質的に転職しているという。マーケティング・マネージャーの転職時の年収は230万~320万ペソとしている。

(注)開発チーム(Development)と運用チーム(Operations)が連携、協力してシステム構築や運用を行う方法。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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