国内市場向けビジネス外資規制緩和法案、国会で審議中

(フィリピン)

マニラ発

2019年11月28日

7月下旬から開催されているフィリピン国会で、国内市場向けビジネスの外資規制を緩和する法案(下院法案第300号)が審議されている。

これは1991年外国投資法(Foreign Investment Act of 1991)(共和国法第7042号)を改正するものだ。フィリピン市場向けにビジネスを行う外資系企業は、払込資本金額が10万ドル未満の場合、これまでは50人以上を直接雇用しなければ出資比率40%以下(フィリピン企業の出資比率60%以上)の外資系企業は法人をフィリピンに設立することができなかった。今回の法案は、50人以上としていた直接雇用を15人以上に減少させる。

払込資本金額が10万ドル以上20万ドル未満の場合は、直接雇用の人数にかかわらず、出資比率40%以下(フィリピン企業の出資比率60%以上)の外資系企業は法人をフィリピンに設立することができ、改正法案でもこの規定は変更はされない。払込資本金額が20万ドル以上では、直接雇用の人数にかかわらず、外資系企業が40%を超える出資比率の法人をフィリピンに設立することが可能だが、これも変更はされない。

国内市場向けビジネスとは、第11次外国投資ネガティブリストPDFファイル(219KB)で規制されている分野を除く業種で、小売りを除く卸売業、輸入業などが挙げられる。小売業については、2000年制定の現行の小売り自由化法によって、外資系企業に対して払込資本金250万ドル以上、1店舗当たりの資本金83万ドル以上などを求め、市場参入の大きな障壁となっているが、払込資本金を20万ドルに減額し、1店舗当たりの資本金規制を撤廃する改正法案が国会で審議されている。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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