貯蓄世帯が2014年の調査開始以降最高の37.5%、銀行口座保有率は25.1%

(フィリピン)

マニラ発

2019年09月30日

フィリピン中央銀行(BSP)が9月19日発表した調査結果によると、貯蓄をしている世帯は37.5%となり、調査を開始した2014年以降で最も高い割合となった。

1カ月当たりの世帯収入別にみると、1万ペソ(約2万1,000円、1ペソ=約2.1円)未満の世帯の24.0%、1万ペソ以上3万ペソ未満の世帯の39.3%、3万ペソ以上の世帯の63.8%が貯蓄をしていると回答した。

貯蓄方法については、25.1%が銀行口座、家での保管が16.4%、協同組合が5.3%、パルワガン(日本の頼母子講に類似)が2.2%だった。

銀行口座と回答した世帯を1カ月当たりの世帯収入別にみると、1万ペソ未満の世帯は37.6%、1万ペソ以上3万ペソ未満の世帯は61.6%、3万ペソ以上の世帯は87.2%だった。

在外フィリピン人労働者(OFW)からの送金がある世帯の送金の使い道については、96.1%が食費、68.8%が教育費、54.8%が医療費、37.3%が貯蓄、23.6%が借金の返済、20.6%が家電など耐久消費財の購入費、11.4%が家の購入費、7.9%が投資、6.5%が車の購入費と回答した(質問は複数回答可)。

今回の調査は、BSPが5,676世帯(うち49.7%の2,820世帯がマニラ首都圏在住、50.3%の2,856世帯が首都圏以外に在住)を対象に7月1日から14日にかけて実施。調査対象世帯の1カ月当たりの世帯収入の内訳は、32.1%が1万ペソ未満、43.5%が1万ペソ以上3万ペソ未満、24.4%が3万ペソ以上だった。

なお、BSPが2017年に実施した金融包括調査によると、口座を保有する成人(15歳以上)は1,580万人で、成人人口の約4分の1と推定されている。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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