農産品価格の高騰抑制、大統領が行政命令

(フィリピン)

マニラ発

2018年09月28日

ドゥテルテ大統領は9月21日、国内の農産品価格の高騰抑制と、農産品の輸入拡大のための行政命令(Administrative Order No.13)を発令した。魚、コメ、砂糖、肉、野菜などの輸入に関する非関税障壁を取り除き、輸入手続きを迅速化する。8月の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)が前年同月比6.4%と、9年半ぶりの高値を記録したことや、9月中旬の台風22号による供給減で農産品価格がさらに上昇するとの懸念を受けたもの。

この行政命令によって、認定を受けた輸入者に対して輸入申請手続きが簡素になり、輸入時の農産品の荷揚げ、荷下ろしも優先される。また、各種事業者に対する許可・認可制度も緩和され、具体的には、コメ輸入業者に対する許可および認可の緩和、砂糖を使用する産業界による砂糖の直接輸入が一時的に許可される。

そのほか、ミニマム・アクセス関税率の適用枠(MAV)を超える輸入品に課せられる費用を低減もしくは免除することで、国内市場の需要を満たす量の農産物をより安価に供給する。この措置により、国家食糧庁(NFA)にMAVを超えるコメの追加輸入を行う権限を付与し、農業省(DA)が魚を追加輸入することが可能となる。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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