8月のインフレ率は6.4%、約9年半ぶりの高水準

(フィリピン)

マニラ発

2018年09月12日

フィリピン統計庁(PSA)は9月5日、2018年8月の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)が前年同月比6.4%になったと発表した。6.4%は政府の通年目標(2.0~4.0%)を大きく上回っている。6%台のインフレ率は、2009年3月以来約9年半ぶり。2018年1月に政府が20年ぶりに実施した税制改革による各種物品税の増税、通貨ペソ安による輸入価格の上昇、そして原油をはじめとした資源価格の上昇などが影響しているとみられている。

フィリピンでは2018年に入ってから、インフレ率の上昇が止まらない。3月に通年目標値を超える4.3%に達した後、4月(4.5%)、5月(4.6%)、6月(5.2%)、7月(5.7%)と加速している(図参照)。2015~2017年における通年のインフレ率がそれぞれ0.7%、1.3%、2.9%だったことに比べると、急速に上昇していることが分かる。政府は急激な物価上昇を抑えるため、5月、6月、8月と3回にわたって政策金利を引き上げている。翌日物借入金利は3.0%から4.0%に1.0ポイント引き上げられたものの、物価上昇に歯止めがかからない。

図 フィリピンのCPI上昇率(前年同月比)の推移

(坂田和仁)

(フィリピン)

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