外資の税制優遇見直し法案、大統領が年内成立の意向

(フィリピン)

マニラ発

2018年07月31日

ドゥテルテ大統領は7月23日、就任後3回目となる施政方針演説(SONA)を行い、今後1年間の政権運営を説明するとともに、これまでの2年間の実績を振り返った。

1月に20年ぶりに実施した税制改革(2018年3月27日記事参照)については、「道路、橋などインフラを建設するための財源を税制改革で確保した。ここ数カ月の物価上昇について批判もあるが、今後も税制改革を断行していく」と表明した。さらに、日系企業など外資系企業への税制優遇制度の見直しを含む税制改革第2弾の法案の年内成立、および第3~5弾の法案の7月中の国会提出の意向を示した。

発表が遅れている新外資規制(第11次ネガティブリスト)への言及はなかったものの、国内通信市場の規制緩和について、「現在2社寡占の通信業界に新しい(3社目の)企業が登場することによって、通信費用の低下や通信環境の改善が期待される」と述べた。

解雇と再雇用を繰り返す期限付き雇用方式(ENDO)については、「これまで30万人あまりを正社員化させた」と述べ、今後も安易な雇い止めなどを防ぐために、ENDOの撤廃に向けて法整備を進める方針を示した。

ミンダナオ島でのイスラム教徒の新たな自治政府創設に向けた「バンサモロ基本法」については、近日中に署名し、成立させる意向を示した(7月26日に署名、成立。2018年7月30日記事参照)。また、連邦制導入に向けた憲法改正にも国民の理解を求めた。そのほか、違法薬物、治安改善、汚職への対応をさらに進める決意をあらためて表明した。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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