自動車部品の現地輸入規則および留意点:シンガポール向け輸出
シンガポール向け自動車部品輸出の際の現地輸入規則および留意点を教えてください。
シンガポールでの自動車部品の輸入は原則自由です。ただし、税関法(Customs Act)に基づく輸入許可制度などの手続きが必要です。
I. 輸入時の規制および手続き
1. 輸入時に必要な書類および手続き
個人の引っ越し荷物など、一部の輸入申告免除品を除き、すべての製品は、輸入される前に、EDI(電子データ交換システム)である「トレード・エクスチェンジ」(TradeXchange)内の「トレード・ネット」(TradeNet®)を通じて輸入申告を行い、輸入許可(Import Permit)を取得する必要があります。
A. TradeXchangeの利用登録
TradeXchangeシステムを利用するためには、同国の貿易関連業者はすべて、まず会計・企業規制局(ACRA)で会社登録を行い、ACRAから発行される個別企業登録番号(Unique Entity Number:UEN)を税関に登録します。その後、同システムの管理会社(クリムゾンロジック社)にユーザー登録すれば自社通関だけでなく、政府機関への各種申告も可能になります。
B. 輸入ライセンス(Import License)について
多くの自動車部品には該当しませんが、輸入に当たって、監督官庁からの「輸入ライセンス」(Import License)が必要となる、輸入管理品目(Controlled Goods-Imports)があります。輸入管理品目の一覧表は「TradeXchange」のホームページなどで公表されています。一般の自動車部品は輸入管理品目には該当しないため、通常、輸入ライセンスを取得する必要はありませんが、CD-ROM付きのカーナビゲーション機など、輸入管理品目に該当する可能性の高い部品については、輸入者などを通じて確認されることを推奨いたします。
C. 小口輸入による個人消費用部品
自家用車への交換・取り付け用など、個人消費用に少量の自動車部品を国際宅配便や国際郵便小包などで送る場合でCIF価格で400シンガポール・ドル以下であれば「小口貨物の輸入制度」の適用を受け、関税およびGST(Goods & Service Tax)の課税が免除されます。詳細は、文末の「ジェトロ:小口貨物の通関制度」をご参照ください。
2. 環境規制および安全基準
自動車部品ではなく、自動車用品として、自動車部品業者が取り扱う以下の品目は、環境・安全保持の見地から所管の監督官庁の輸入認可が必要です。
- (Item.13)Diesel oil/fuel
- (Item.25)Halons(消火器関連)
- (Item.27)Helmet
- (Item.29)Belt(for Industrial Safety)
II. 販売時の規制、手続き
一般の自動車部品の販売に関して、特に規制はありません。したがって、個別部品単体へのラベル表示などについての規制はありません。
III. 関税およびその他諸税
自動車部品の輸入関税はゼロですが、GSTはCIF価格の7%が課税されます。さらに品目によって、例えば一部自動車の原動機付きシャーシ、ボディー(キャブを含む)などのアイテムには20%の物品税(Excise Tax)が課税されます。詳細は文末の「シンガポール税関:関税品目リスト」をご参照ください。
関係機関
シンガポール税関
シンガポール警察
在日シンガポール大使館
関係法令
税関法(Customs Act)
輸出入規制法(Regulation of Imports & Exports Act)
消費者保護法(Consumer Protection Act)
参考資料・情報
CrimsonLogic Pte. Ltd:シンガポールトレードエクスチェンジシステム
シンガポール税関:関税品目リスト(List of Dutiable Goods)
ジェトロ:
「小口貨物の通関制度・シンガポール」
特許庁:
インドネシア、タイ、シンガポールにおける模倣品流通実態調査
調査時点:2015/09
記事番号: A-031103
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