WTO・他協定加盟状況
最終更新日:2024年07月10日
WTO(1995年1月、ただしGATTには1967年10月加盟) 、ラテンアメリカ統合連合(ALADI)(1981年3月)、南米南部共同市場(メルコスール)(1991年3月) 。メルコスールは、ALADIの経済補完協定の1つに位置付けられている。
メルコスール
南米南部共同市場(メルコスール)は、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイの4カ国が、1991年3月にアスンシオン条約を締結して関税同盟の設立を合意し、1995年に発足した関税同盟。2012年8月に正式加盟国となったベネズエラはメルコスール規則に反しているとして、2016年12月に他の4カ国から加盟資格の停止を通告され、2017年7月の首脳会合と8月の外相会合の決議により資格を無期限で停止された。ボリビアは、2024年7月3日にメルコスール加盟議定書を批准する法案を国会が可決し、翌4日に成立した。ボリビアは今後、4年以内に国内法規をメルコスールの規制や枠組みに適応させ、加盟手続きを完了させる必要がある。メルコスールの準加盟国は、チリ、ペルー、エクアドル、コロンビア、ガイアナ、スリナム。
メルコスールは共同市場の形成を目的として、次の原則を掲げている。
- 財、サービスおよび生産要素の自由な流通
- 域内の貿易障壁撤廃
- 対外共通関税(Arancel Externo Común:AEC)の創設
- 対外共通貿易政策の実施
- マクロ経済政策および貿易政策における協調
関税同盟の発足に伴い、加盟国が対外共通関税(AEC)を導入する一方で、AECの例外品目を設けている。メルコスールは、中南米地域の経済統合実現を目指してモンテビデオ条約に基づき設立されたラテンアメリカ統合連合(ALADI)の枠組みの中で締結された多くの経済補完協定(ACE)の1つでもある。ACEは、ALADIが経済統合を進めるための手段である域内部分協定(ALADI加盟国のうち一部の国が参加する協定)の1つであり、締結国間の貿易促進と関税削減を目的に締結されるものである。
メルコスール域内の自動車協定
メルコスールでは、自動車・自動車部品は域内貿易の自由化の例外品目となっている。それでも、域内各国は個別のルールである「自動車協定」をACEとして二国間で締結することで部分的に自由化している。
ブラジルとアルゼンチンの両国は、1990年に締結したACE14号により自動車分野の関税を撤廃した。同協定の追加議定書により、原産地規則などの要件に加えて両国間の自動車貿易(自動車および同部品輸出入)の不均衡是正に向けた均衡係数(Flex)を定めており、2022年7月現在の均衡係数は1.8となっている。均衡係数は、ブラジルからアルゼンチンへの輸出額のうち関税が無税となる比率を示しており、アルゼンチンからブラジルへの輸入額1に対して、ブラジルからアルゼンチンへの輸出額1.8についてはアルゼンチンへ無税で輸出できる仕組み。2019年に署名され、2020年6月から施行された同協定第44次追加議定書は、均衡係数について以下のとおり定めている。
- ブラジル・アルゼンチン両国間の自動車・同部品貿易の自由化は、2029年7月1日からとする。
- 貿易均衡係数は段階的に拡大する。
- 2020年7月1日~2023年6月30日:1.8
- 2023年7月1日~2025年6月30日:1.9
- 2025年7月1日~2027年6月30日:2.0
- 2027年7月1日~2028年6月30日:2.5
- 2028年7月1日~2029年6月30日:3.0
- 2029年7月1日~:自由化
- 原産地に関する域内原産割合(ICR)は、域内調達率最低50%とする。
また、2018年7月19日付工業生産省決議67/2018号により、メルコスール域内で生産されていない同決議別添1に掲げる自動車部品については、域外原産品の関税率を2%まで引き下げた。2019年5月24日付工業生産・労働省決議93/2019、7月17日付同省決議129/2019号により、対象品目が追加された。
アルゼンチンは、ウルグアイ、パラグアイとも自動車協定を締結した。ウルグアイとの間で2003年に締結したACE57号により、パラグアイとの間では、2019年に締結したACE13号第2次追加議定書により自動車分野の関税を撤廃した。
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