日本からの輸出に関する制度

健康食品の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する健康食品のHSコード

健康食品は、マレーシアの法令により飲食物あるいは医薬品に分類し定義されます。経口摂取用の食品成分と有効成分を組み合わせた特別用途食品やサプリメントは「FDI製品(Food-Drug Interface (FDI) products:食品・薬物境界製品)」と呼ばれており、いわゆる健康食品を含んでいます。

「健康食品」というHSコードは存在しませんが、本ページで定義する健康食品には次のHSコードを含みます。

2936:プロビタミン、ビタミンおよびそれらの派生品

マレーシアの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2024年10月

マレーシアへ健康食品の輸出は可能です。
マレーシアで健康食品は、いくつかの法令により飲食物と医薬品に分類し定義されています。加えて、健康食品に該当する「FDI製品(Food-Drug Interface (FDI) products:食品・薬物境界製品)」は、経口摂取用の食品成分と有効成分を組み合わせた製品を指しますが、FDI製品に関する分類基準は、薬物・医薬品の基準に基づきます。
食品と分類された製品は、「1967年関税法(Customs Act 1967)」、「2023年関税(輸入禁止)令 (Customs (Prohibition of Imports) Order 2023)」、「1983年食品法(Food Act 1983)」および「1985年食品規則(Food Regulations 1985)」の規定に従い、規制されている食品について輸入者は必要な事前認可、ライセンス、許可を取得する必要があります。
また、植物、動物、と体、魚介類、農産物、土壌、微生物などの「2023年関税(輸入禁止)令」により規制されている特定の食品を含むものは、農業・食糧安全保障省(Ministry of Agriculture and Food Security Malaysia:MOA)の管理下にあるマレーシア検疫検査サービス局(Malaysian Quarantine and Inspection Services:MAQIS)から輸入許可の取得、その他管轄機関の要件を満たす必要があります。要件詳細については、「2023年関税(輸入禁止)令」、および税関 (Royal Malaysian Customs Department:RMCD)で確認する必要があります。

なお、東日本大震災以降、日本からの食品輸入については産地証明が必要などの輸入規制がありましたが、2013年3月1日をもって廃止されました。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類

調査時点:2024年10月

施設登録
日本製の健康食品の場合、基本的に日本側の施設登録は不要です。
ただし、医薬品を日本の会社がマレーシアへ持ち込むには、マレーシアで設立され、事業所の定住所を持ち、かつマレーシア会社登記所(Companies Commission of Malaysia:CCM))で、会社の主なる事業内容が健康医薬品関連の事業と登録されている法人(エージェント)を任命し、製品登録証保持者(Product Registration Holder: PRH)になってもらう必要があります。そのため、製品オーナーはエージェントに対し委任状を発行しなければなりません。
輸出に必要な書類
肉類、エビ・カニ類やチーズなどの乳製品、海藻加工食品、はちみつ、卵製品など、「1983年食品法」および「1985年食品規則」により規制されている製品は、輸出国の所轄官庁により発行された獣医局衛生証明書(Veterinary Health Certificate:VHC)、衛生証明書(Health Certificate:HC)、分析証書(Certificate of Analysis:COA)を、その他の輸入書類とあわせて提出し、保健省食品安全品質プログラム(Food Safety and Quality Program(FSQP)を経て、 保健省(Ministry of Health:MOH)より許可を得る必要があります。
また、FTA/EPAを活用する場合は、日本商工会議所が発給する産地証明書を取得する必要があります。

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2024年10月

肉類、エビ・カニ類やチーズなどの乳製品、海藻加工食品、はちみつ、卵製品など、「1983年食品法」および「1985年食品規則」により規制されている製品は、輸出国の所轄官庁により発行された獣医局衛生証明書、衛生証明書、分析証書などが必要です。

規制食品の輸入に必要な証明書
食品 獣医局 衛生証明書VHC 衛生証明書HC 分析証明書COA 分析対象成分1
食用肉および臓物 × Beta作用薬
食用家きん肉および臓物 × ニトロフランおよびその代謝産物
魚および魚製品 × × クロラムフェニコール
エビ、カニ* × ** クロラムフェニコール
海藻および海藻加工食品 × × 無機ヒ素、鉛とカドミウム
唐辛子(ベトナム) × × •アメトリン
•クロルフェナピル
•ジチオカルバメート
•ヘキサコナゾール
•イミダクロプリド
•フェントエート
•プロフェノフォス
ピーナツバター × アフラトキシン
落花生(生、殻付きまたは殻なし)# × アフラトキシン
(加工された落花生で焙煎されたものなどはこの要件から免除される。)
チーズ(材料の牛乳が低温殺菌されているいないにかかわらずすべてのソフトまたはセミソフトタイプのチーズ) × リステリア
モノサイトゲネス
(プロセスチーズはこの要件から免除される。)
ハチミツ## × クロラムフェニコール
酸加水分解植物性タンパク質(HVP)およびHVPを含む食品 × × 3-モノクロロプロパン-1,2-ジオール(3-MCPD)と HVPが含まれている生成物
あらゆるタイプの商業用に滅菌調理された、密封されたものも含む缶詰肉加工製品 × ×
肉、内臓物、血液またはこれらを使用した調製品により製造されたソーセージまたはこれに類似した製品 × ×
調整された、または保存された肉 × ×
肉の抽出物やジュース × ×
卵および卵製品 × ×
牛乳および乳製品 × ×

植物や植物性製品についての植物検疫は「1976年植物検疫法(Plant Quarantine Act 1976)」ならびに「1981年植物検疫規則(Plant Quarantine Regulations 1981)」に基づき、農業・食糧安全保障省農業局(Department of Agriculture:DOA)作物保護および植物検疫課(Plant Quarantine Division)が規制を管理しています。輸出時に植物検疫証明書が必要か否かについては、製品ごとに各機関で確認してください。

マレーシアの食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2024年10月

健康食品はいくつかの法令により、飲食物あるいは医薬品に分類し定義されます。 経口摂取用の食品成分と有効成分を組み合わせた特別用途食品やサプリメントは「FDI製品(Food-Drug Interface (FDI) products:食品・薬物境界製品)」と呼ばれており、いわゆる健康食品を含んでいます。

医薬品(薬または薬物)
1952年薬物販売法(第2節 解釈)において、「薬物(drug)には、医療目的で人間や動物に使用される有効な物質、製品、物品が含まれる」と記載されています。-
食品
1983年食品法(第1条解釈)において「食品(Food)とは、人間に摂取される物として製造、販売、使用されるすべての物であり、食品および飲料、菓子類やガムなどの成分、調製、保存に使用された物質や材料も含む」と記載されています。-
特別用途食品
1983年食品法、1985年食品規則(パートVIII 食品に関する基準および特定表示要件-特別用途食品)において、特別用途食品(Special Purpose Food)は、「乳幼児向けのミルク、離乳食やシリアル、低カロリー食品、調合食品、低塩・減塩食品(代替塩を使用した食品を含む)などの、健康の保持・回復などに適した食品」とされています。
食品添加物
1983年食品法、1985年食品規則(パートV-食品添加物および添加栄養素)において、食品添加物(Food Additives)は、「製造、加工、包装、輸送または貯蔵の過程における品質の維持を目的として添加される安全物質」と定義されています。また、「保存料、抗菌剤、着色料、香料、風味増強剤、酸化防止剤、食品調整剤を含むが、添加物栄養素、偶発的成分または塩は含まれない」とされています。
サプリメント
保健省国立医薬品規制庁発行医薬品登録ガイド(第3 版第6改訂2023年10月)において、サプリメント(Health Supplement)は、「人間の身体機能を保持、増強、改善することを目的に、食事の補助として栄養成分を補給する製品。少量単位で服用(投与)できるカプセル、錠剤、粉末、液体の形状のもので、無菌製剤(注射剤や目薬など)は含まない」とされています。サプリメントには次の成分が含まれます。
  • ビタミン、ミネラル、アミノ酸、 脂肪酸、酵素、プロバイオティクス、およびその他の生物活性物資。
  • 動物、鉱物、植物を原料とした自然由来の物質(抽出物、分離物、濃縮物または代謝物質)。
  • 安全性が認められた前述の成分の合成物質。
FDI製品(食品・薬物境界製品)
FDI製品(Food-Drug Interface (FDI) products)は、経口摂取用の食品成分と有効成分を組み合わせた製品を指しますが、FDI製品に関する分類基準は、薬物・医薬品の基準に基づきます。

「食品」として保健省食品安全品質管理プログラム(Food Safety and Quality Program:FSQP)により管理される製品例。

  • 100%食品原料である。
  • 有効成分(ハーブ、ビタミン、ミネラルなど)の有無によらず、コーヒーや紅茶など砂糖を含むインスタント飲料製品、魚肉エキスを含む製品(液体)、開封してそのまま飲める清涼飲料やゼリー飲料、果汁濃縮液、液状粉末状問わず酢やハチミツを含む製品。
  • スポーツ飲料製品、スポーツ用栄養食品、特別用途食品。
  • ビスケット、ケーキ、菓子類、キャンディ、グミ、麺類などの従来の形状の製品。
  • 調理用油(オリーブオイル、ココナツオイル、ひまわり油)、ハーブ・スパイスなど、調理・食品製造・調製に使用されるもの。
  • 薬用、健康強調表示のない生または未加工のハーブ、スパイスなど。

「医薬品」として国立医薬品規制庁(National Pharmaceutical Regulatory Agency:NPRA)より規制されている製品例。

  • 賦形剤の有無にかかわらず有効成分を含む製品。
    特定の有効成分を含有し、高度な薬理学的または治療上の効力がある製品。成分例としては、パラセタモール、グルコサミン、トラネキサム酸、アスピリンおよび 「1952年薬物販売法(Sale of Drug Act 1952)」のリストにある物質。
  • 特定の有効成分を含有し、摂取用量によって治療上効力がある製品。例えば、植物ステロール/スタノールおよびエステルだと摂取量は1日あたり3.5g以上、オオバコハスクだと摂取量は1日あたり3.5g以上、センナ0.5g以上を含む製品などが挙げられる。
  • ソフトジェル、カプセルまたは錠剤(直接飲み込むもの)、舌下、頬側、口内スプレー などの医薬品剤形の製品。

また、次の薬物・医薬品基準に該当するFDI製品も「医薬品」として取り扱われ、国立医薬品規制庁(NPRA)の規制を受ける。

  • 「FDI非食品リスト」の成分を含む製品。
  • 「FDI非食品リスト」の成分は含まないが、「1952年医薬品販売法(第2条)」に規定されている「薬用目的」に沿った医薬品/健康強調表示のある製品。
  • 医療目的での使用を意図した、または医療目的での使用の可能性がある、または医療目的で使用する可能性があることを主張する製品(体重管理、目、胃腸、脳などの健康上の利点のために使用されるもの)。
  • FDI製品の安全面に関して不確実性がある場合。

その他医薬品に関しては、関連リンクの「保健省国立医薬品規制庁発行医薬品登録ガイド(第3 版第6改訂2023年10月)(英語)」を参照してください。

また、製品分類の判断が難しい場合は、国立医薬品規制庁(NPRA)宛に分類確認の申請を提出することができます(申請料は1製品につき300マレーシアリンギット)。
NPRA分類確認申請書は、関連リンクの「NPRA分類確認申請書(Product Classification Application)」よりダウンロードできます。

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2024年10月

マレーシアでは残留農薬(最大残留許容値、使用禁止農薬)について、「1985年食品規則(Regulation 41ならびにSIXTEENTH SCHEDULE)」で品目ごとに定められています。
本規則内で、健康食品については個別の基準値が指定されていませんが、CODEX委員会が定める基準値に従うものとし、CODEX委員会でも特に定めのない農薬についてはすべて0.01mg/kgの最大残留許容値が適用されます。

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2024年10月

マレーシアで消費されるすべての食品に関する重金属および汚染物質の最大残留許容値(Maximum Residue Limit (MRL))については、「1985年食品規則(Regulation 38ならびにFOURTEENTH SCHEDULE)」で品目ごとに定められています。

  • 含有禁止の化学物質:マレーシアではすべての食品に関してβアゴニスト(ラクトパミンを除く)、ニトロフラン、クロラムフェニコールが禁止されています。
  • 食品の成分として使用が禁止される物質:マレーシアで消費されるすべての食品に含有が禁止されている物質については、「1985年食品規則(Regulation 40ならびにFIFTEENTH A SCHEDULE)」で品目ごとに定められています。

4. 食品添加物

調査時点:2024年10月

マレーシアで消費されるすべての食品添加物については、「1985年食品規則(PART V FOOD ADITIVE AND ADDED NUTRIENT)」で定められています。食品添加物は「食品が有している品質、質感、硬さ、外見、におい、味、アルカリ度または酸性度に影響を与えるために、もしくは食品の製造、加工、調製、処理、充てん、包装、運搬または保存においてその他の技術的な機能を付与するために、意図的に食品に少量導入される、および、その結果直接的または間接的に当該物質またはその副産物が食品の一成分となるか、なることが合理的に期待される、あらゆる安全な物質をいい、すべての保存料、着色料、香料、風味増強剤、酸化防止剤、食品調整剤などを含むが、栄養強化剤、偶発的成分あるいは塩は含まれない」と定義されており、これらに関する使用については、次のように定められています(Regulation 19 Food additive)。

  • 食品添加物として許可されていない物質は食品添加物として使用してはならない。
  • 食品規則で具体的に定められた基準に準拠しない認可食品添加物もまた食品に使用してはならない。
  • 食品添加物の食品への添加は、食品規則で認可が明文化されていないかぎり禁止する。
  • 食品に使用される食品添加物は、その最大許容値を超えないこと(完成品に成分が残存しない加工助剤を含まない)。

添加物としてのポジティブリストや使用許容値は、食品添加物の種類および対象となる食品ごとに細かく数値が定められています。詳細は各食品規則(表を参照)を確認してください。
次の表に示した各付則は、関連リンクの保健省「1985年食品規則」を参照してください。

食品添加物の種類別食品規則および付表
添加物の種類 食品規則 付表
保存料 Regulation 20 SIXTH SCHEDULE
抗菌剤 Regulation 20A SIXTH(A)SCHEDULE
着色料 Regulation 21 SEVENTH SCHEDULE
香料 Regulation 22 EIGHTH SCHEDULE
風味増強剤 Regulation 23 NINTH SCHEDULE
酸化防止剤 Regulation 24 TENTH SCHEDULE
食品調整剤 Regulation 25 ELEVENTH SCHEDULE
栄養強化剤 Regulation 26 TWELFTH SCHEDULE
ビフィズス菌 Regulation 26A TWELFTH A SCHEDULE

なお、食品調整剤はさらに次のサブカテゴリーに分類され、基準が整理されています。

  • 乳化剤
  • 消泡剤
  • 安定剤
  • 増粘剤
  • 加工でん粉
  • ゲル化剤
  • pH調整剤
  • 酵素
  • 溶剤
  • 光沢剤
  • 固化防止剤

栄養素が添加されていない甘味物質については、「1985年食品規則(Regulation 133およびSEVENTEENTH SCHEDULE)」で規定されています。

5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2024年10月

食品容器に関しては、「1985年食品規則(PART VI PACKAGES FOR FOODS)」に次のとおり定められています。

  • 食品包装に使用される包装材料は、中身の食品に対して有毒、有害なものであってはならず、汚染物質を含まず、食品の劣化を早めるようなものであってはならない。
  • 容器にセラミック〔カテゴリーA: 磁器、ボーンチャイナ、ファインチャイナ、溶化磁器その他吸水率が0.4%以下のもの、カテゴリーB: 陶器、せっ器(ストーンウェア)〕を使用する場合は、マレーシア規格(MS:Malaysian Standard)の「MS ISO 6486-1 食品と接触するセラミック容器、ガラスセラミック容器およびガラス食器」に従わなければならない。また、セラミック容器に含まれる鉛とカドミウムの最大許容量には制限がある(次の表を参照)。
セラミック容器に含まれる鉛とカドミウムの最大許容量
種類 単位 カドミウム
平らな容器 mg/dm2 0.8 0.07
深みのある容器(小) mg/L 2.0 0.5
深みのある容器(大) mg/L 1.0 0.25

また、セラミック容器は次の要件を満たさなければなりません(テスト方法はマレーシア規格MS ISO 6486-1を参照)。

セラミック容器の要件
パラメータ カテゴリーA カテゴリーB
陶器 せっ器(ストーンウェア)
吸水率(%) 0.4%以下 3.0%以上7.0%以下 3.0%以下
熱衝撃(℃) 160 160 160
耐チッピング性(J)
プレート直径>220mm 0.25 該当なし 該当なし
プレート直径≦220mm 0.18 該当なし 該当なし
カップ/マグ/ボウル(注ぎ口あり) 0.10 該当なし 該当なし
カップ/マグ/ボウル(注ぎ口なし) 0.12 該当なし 該当なし
クレージング すべてのテスト片でクレージングがないこと
  1. 1キログラムあたり1ミリグラム以上の塩化ビニルモノマーを含んだポリ塩化ビニルを使用した容器は禁止されている。
  2. 1キログラムあたり0.05ミリグラム以上の塩化ビニルモノマーを含んだポリ塩化ビニルに包装された食品の輸入、販売をしてはならない。
  3. 非食品用に製造された容器を食品用に使用してはならない。
  4. ナチュラルミネラルウオーターの容器として使用した20リットル以下のポリカーボネート容器を同じ目的で使用することは認められているが、それ以外の次のような容器のリサイクルは認められていない。
    1. 何らかの用途として使用された袋を砂糖や小麦粉、その他の粉類の容器として使用すること。
    2. 何らかの用途として使用されたボトルや金属容器(食用脂肪や食用油用のサイロやタンカーを除く)を食用脂肪や食用油の容器として使用すること。
    3. 豚由来の製品の容器として意図されたもの、あるいは豚由来の製品の容器として使用された容器を非豚由来の製品の容器として使用すること。
    4. 食品以外の何らかの用途として使用されたプラスチック容器を、食品の容器として使用すること。
    5. アルコール類やシャンディ(飲み物)の容器として使用された容器を、それらを除く食品の容器として使用すること。
  5. マレーシアで使用可能な食品包装用プラスチック(次の単一素材)はリサイクルが 可能です。
    1. ポリエチレンテレフタレート(PET)‐石油由来の樹脂。ペットボトルや食品包装に使用。
    2. 高密度ポリエチレン(HDPE)‐耐熱性、耐薬品性、耐候性に優れた強度の高いプラスチック。
    3. ポリプロピレン(PP)‐耐熱性や耐薬品性に優れた熱可塑性樹脂。食品容器やストロー、ペットボトルの蓋などに使用。
  6. 次のa~cのような類似用途のための容器をリサイクルすることは認められていない。
    1. 別の用途として使用されたガラス瓶を牛乳、清涼飲料水あるいはシャンディの容器として使用すること。
    2. 別の用途で使用された箱や木箱を野菜、魚、果実の容器として使用すること。
    3. 別の用途で使用された麻袋を精米の容器として使用すること。
  7. アルコール飲料、シャンディ、野菜、果物のための、次のa、bのような容器のリサイクルは認められる。
    1. アルコール飲料の容器として使用されたガラス瓶を、シャンディの容器として使用すること(あるいはその逆)。
    2. 野菜の容器として使用された箱や木箱を、果物の容器として使用すること(あるいはその逆)
  8. ある食品の容器として使用されている容器に、それとは別の食品のラベルやマークが表示されていた場合、その容器は以前にそのラベルやマークの食品用として使用されたものであると推定する。
  9. 破損した容器の使用は認められていない。
  10. 食品の容器の中に玩具やコイン、その他のものを入れてはならない。ただし、食品の無菌状態など食品の望ましい質を保持するためのものや、食品のラベル、酸素を吸収するための還元鉄粉などの同梱は認められている。
  11. 酸素吸収を目的とした還元鉄粉は、食品に混入し、食品を汚染し、食品の内部に侵入しないよう、小袋に入れ、封をしなければならない。小袋の素材は、次のa~lのうち少なくとも1つ以上を含まなければならない。
    1. 塩化カルシウム
    2. 水酸化カルシウム
    3. 活性炭
    4. 石膏
    5. 酸化鉄
    6. 水酸化マグネシウム
    7. ステアリン酸マグネシウム
    8. パーライト
    9. 滑石
    10. 沸石

6. ラベル表示

調査時点:2024年10月

食品

マレーシアで販売する食品の一般的な表示基準(輸入品、国産品に関係なく)は、「1985年食品規則(PART IV LABELLING)」に定められています。表示項目、言語、文字の大きさや色、賞味期限表示、栄養成分表示、あるいは表示禁止事項など詳細にわたりルールが設定されています。

表示が必要な項目は次のとおりです。

  1. 食品の適切な明示(appropriate designation of the food)、または主成分の一般名を含む食品の説明。
  2. 混合食品(動物性加工済原料と植物性原料の両方を含む食品)または配合食品(2種類以上の原料を混ぜて栄養素をバランスよく含ませた食品)の場合には、食品に応じて内容物が混合または配合されたものであることを示す文言。
  3. 食品が牛肉もしくは豚肉、またはその派生物、またはラードを含む場合には、それらに関する記述。
  4. 食品が添加アルコールを含む場合には、それらに関する記述を、6ポイント以上の大文字かつ太字のサンセリフ書体によって表示。
  5. 食品が、水、食品添加物、および栄養補助剤を除く2種類以上の成分からなる場合には、各成分について、正味重量に占める割合が多い順に適切に明示しなければならない。また、それらに加えて食品が過敏症を引き起こすことが知られる成分を含む場合には、それらの成分についても当該成分のラベルへの記載が必須となる。(※)
  6. 食品が食用脂肪または食用油またはそれら両方を含む場合には、それらの表示(場合に応じてそれらの脂肪または油が由来する動物または植物の一般名とともに表示)
  7. 食品添加物を含む場合には、ラベルにINS番号の表示。
  8. 包装に含まれている最小限の正味重量、容量、数。液状媒体内で包装された食品の場合には、最小限の食品固形量の記載。許容誤差範囲の規定なし。
  9. マレーシア国内で製造または包装された食品の場合には、製造業者もしくは包装業者、または製造権もしくは包装権の所有者、またはこれらのいずれかの代理業者の名称および事業所住所。また、輸入食品の場合には、製造業者もしくは包装業者、または製造権もしくは包装権の所有者、またはこれらのいずれかの代理業者の名称および事業所住所、ならびにマレーシア国内の輸入業者の名称および事業所住所、ならびに当該食品の原産国名。
  10. 特定食品の場合には、関連リンクの「1985年食品規則(Food Regulations 1985)」の規定に従ってほかの詳細を表示。
  11. 食品成分の3%以上の割合で遺伝子組み換え作物を含む食品である場合。
    • バイオ技術から得られた遺伝子組み換え動物由来食品については、その由来の動物名「gene derived from (動物の一般名称)」。
    • 遺伝子組み換え作物を使用している場合は、その作物名 「genetically modified (作物名など)」。

      1985年食品(改訂)規則に基づき2024年1月1日より、すべての食品ラベルは次の追加事項を記載する必要がある。

  12. 成分の割合[成分量の開示:Quantitative Ingredients Declaration(QUID)]。
  13. 食品添加物が含まれる場合はラベルにINS番号の表示。
  14. 栄養成分表に総ナトリウム量の表示。

(※)対象物質として過敏症(食物アレルギー)を引き起こすことが知られている特定の食品または成分として次が挙げられる。

  1. 小麦、ライ麦、大麦、オート麦を含むグルテンを含有する穀物
  2. ピーナツ、大豆を含むナッツおよびナッツ製品
  3. 魚類および魚類製品
  4. 乳および乳製品(ラクトースを含む)
  5. 卵および卵製品
【栄養表示に関する規則】

次の食品は栄養表示が義務付けられています。

  1. 「1985年食品規則」(PART VIII)に記載される食品
  2. 栄養強化、濃縮、活性化(vitalized)、サプリメントなど栄養強化を主張する食品
  3. 特別用途食品

栄養表示に明記しなければならない項目は、カロリー、タンパク質、炭水化物、総糖質、脂肪、総ナトリウム量です。

【有機食品認証制度】

有機食品の輸入について保健省(Ministry of Health:MOH)は、輸出国の認可機関が発行したさまざまな有機証明書を認めており、ラベルに有機ロゴを使用することも認めていて、これには日本の有機食品表示JASのロゴも含まれています。また、「マレーシア規格(MS1529)」内における「植物由来の有機食品についての生産、加工、表示、マーケティングに関する要件(Plant-based organically produced foods- Requirements for production, processing, handling, labelling and marketing)」の項に示されている有機食品認証基準を満たした有機食品のみ「organic」、「biological」、「ecological」、「biodynamic」またはこれらに類似したラベル表示ができます(加工工程を経ていない有機食品の輸入には適用されません)。 申請企業は食品加工施設で少なくとも3カ月間有機食品のプロセス管理を実施していること、「マレーシア規格(MS1529)」および「保健省食品安全品質プログラム(Department of Food Safety and Quality Program:FSQP)」などの基準を満たす必要があります。

医薬品

医薬品に関する一般的な表示基準は、国立医薬品規制庁(National Pharmaceutical Regulatory Agency:NPRA)発行の「保健省国立医薬品規制庁発行医薬品登録ガイド(DRUG REGISTRATION GUIDANCE DOCUMENT)」に掲載されています。

表示が必要な項目は次のとおりです。

  1. 製品名
  2. 剤形
  3. 有効成分名
  4. 有効成分量
  5. 製造番号
  6. 製造日
  7. 使用期限
  8. 投薬・服薬方法
  9. 保管条件
  10. 国の登録番号
  11. 製品登録証保持者(PRH)の名前と住所
  12. 製造社名および住所
  13. 注意事項(該当する場合)
  14. 梱包サイズ(数量)
  15. 含有保存料名(該当する場合)
  16. 含有アルコール名(該当する場合)
  17. ゼラチンなど有効成分および添加物に使用された動物由来の原料名(該当する場合)
  18. カプセル外殻の原材料(該当する場合)
  19. ビタミン/マルチビタミン/ミネラルの調合剤がサプリメントとして服用される場合の一日当たりの摂取量(任意表示)
  20. 「小児の手の届かない所に保管してください」または同様の注意喚起文をマレー語と英語の両方で記載
  21. その他の国で決められた特定の表示要件(該当する場合)
  22. 「処方薬」はその旨を記載すること。“Controlled Medicine”/“Ubat Terkawal”の文字(特定薬物のみ)セキュリティラベル(ホログラム)

「1956 年薬事(広告および販売)法(Medicines (Advertisement and Sale) Act 1956)」の第4B条により、医薬品の包装および広告はすべて、医薬品サービスプログラム(Pharmaceutical Services Programme)の医薬品広告委員会(Medicine Advertisements Board:MAB )より認可を得なければなりません。

また、一般の人が処方箋なしで購入できる医薬的効能が表示された医薬品または治療薬に、実証可能な事実以外の表示をしてはいけません。加えて、健康食品のブランド名や製品名に、その効果や優れた品質を表す言葉を使用することも禁じられています。

食品・医薬品にかかわらずラベル表示はマレー語または英語(必要に応じてほかの言語を併記)で記載しなければなりません。そのほか包装、表示についてのルールの詳細については各条文を参照してください。

7. その他

調査時点:2024年10月

マレーシアの主要な食品安全・衛生管理行政機関は農業・食糧安全保障省(Ministry of Agriculture and Food Security Malaysia:MOA)と保健省(Ministry of Health:MOH)であり、主に農業・食糧安全保障省が生産・一次加工の安全・衛生管理、保健省が輸入・加工食品の安全・衛生管理を担当しています。輸入食品も含めた食品の取り扱いに関する主要規則は、「1983年食品法(Food Act 1983)」、「1985年食品規則(Food Regulations 1985)」、「2009年食品衛生規則(Food Hygiene Regulations 2009)」です。

一方、医薬品については国立医薬品規制庁(National Pharmaceutical Regulatory Agency:NPRA)が担当し、薬品に関する主要規制は「1956年薬事(広告および販売)法(Medicines (Advertisement and Sale) Act 1956)」です。また、医薬品に分類されるサプリメントや自然由来の薬品については「保健省国立医薬品規制庁発行医薬品登録ガイド(DRUG REGISTRATION GUIDANCE DOCUMENT)」を参照してください。

マレーシアでの輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2024年10月

食品に関する輸入手続き

食品の輸入管理はマレーシア保健省(Ministry of Health: MOH)の食品安全品質管理部(Food Safety and Quality Division)が、税関(Royal Malaysian Customs Department:RMCD)と協力しながら実施しています。具体的には、関連リンクに記載のオンラインシステム「マレーシア食品安全情報システム(Food Safety Information System of Malaysia: FoSIM)」を通じ、国内で消費される輸入食品が安全であるかどうかも含めた輸入食品の管理が行われています。

マレーシアに健康食品を輸入する際には、輸入業者はFoSIMにアクセスし、輸入者・輸入エージェントはじめ、必要な登録を行うことによって輸入手続きを行います。

肉類、エビ・カニ類、チーズなどの乳製品の「1985年食品規則(Food Regulations 1985)」により規制されている食品は、輸出国の所轄官庁により発行された獣医局衛生証明書(Veterinary Health Certificate:VHC)/衛生証明書(Health Certificate:HC)、分析証書(Certificate of Analysis:COA) をその他の輸入書類と合わせて提出します。

植物、動物、と体、魚介類、農産物、土壌、微生物などの「2023年関税(輸入禁止)令 Customs (Prohibition of Imports) Order 2023」により規制されている特定の食品については、マレーシア検疫検査サービス局(Malaysian Quarantine and Inspection Services:MAQIS)のポータル「SPEED」にオンライン登録をし、「DagangNet(Dagang Net Technologies Sdn Bhd.)」の「ePermit」を通して輸入許可を取得しなければなりません。
このように規制された製品は「2023年関税(輸入禁止)令 Customs (Prohibition of Imports) Order 2023」の要件に沿って、農業・食糧安全保障省(Ministry of Agriculture and Food Security Malaysia:MOA)の関連機関である獣医局(Department of Veterinary Services:DVS)、農業局(Department of Agriculture:DOA)、連邦農産物産物マーケティング局(Federal Agricultural Marketing Authority:FAMA)、マレーシア水産開発局(Fisheries Development Authority of Malaysia:LKIM)など、各管轄機関から輸入ライセンス/証書の事前取得が必要です。
管轄機関および要件の詳細については、「2023年関税(輸入禁止)令 Customs (Prohibition of Imports) Order 2023」および税関(RMCD)に確認してください。

医薬品に関する手続き

「1952年薬物販売法(Sale of Drug Act 1952)」の「1984年薬物及び化粧品管理規制(Control of Drugs and Cosmetics Regulation 1984)」に基づき、医薬品を製造、輸入または販売するすべての会社は、国立医薬品規制庁(National Pharmaceutical Regulatory Agency:NPRA)のポータルサイト「QUEST3+」にて、輸入ライセンスの取得および取り扱う医薬品の登録、販売するための卸売者ライセンス(Wholesaler’s License)を取得しなければなりません。手続きの流れは関連リンクの「医薬品輸入手続きのフローチャート」および「医薬品登録手続きのフローチャート 」を参照してください。
製品登録の申請者は、製品登録証保持者(Product Registration Holder: PRH)と呼ばれ、マレーシアで設立された事業所の定住所を持ち、会社登記所(Companies Commission of Malaysia:CCM))の会社プロフィールに記載されている主なる事業が、健康医薬品関連の法人でなければなりません。
登録の所要時間は原材料の数により異なりますが、健康補助食品および伝統的なハーブ補助食品については、全書類提出完了日より116~245営業日かかるとされています。
製品登録の認可は5年間有効で、有効期限の6カ月前までに更新しなければなりません。

【個人使用のための輸入】

医薬品と分類されているが国立医薬品規制庁(NPRA)に未登録の製品は、展示目的であっても輸入とは認められません。個人使用については、1人につき1カ月分を超えない量であれば、輸入者の荷物としてマレーシアに持ち込むことができます。制限量を越えなければ、オンラインでの個人輸入も認められています。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2024年10月

食品に関する輸入手続き

マレーシアでは「DagangNet」とよばれる官庁間の統合通関登録システムが導入されており、輸入申請から認可取得、通知、関税諸税、手数料などの支払い手続きが自動的に一括処理されています(関連リンクを参照)。輸入ライセンス取得後、マレーシアへの輸出が決まった段階で統合通関登録システム「DagangNet」を通じて輸入登録を行います。登録料も同システム上で支払います。この情報はオンラインで連携しているマレーシア検疫検査サービス局(Malaysian Quarantine and Inspection Services:MAQIS)に自動的に届き、政府が設定している輸入枠内で承認が下ります。登録申請は輸入日より14日以上前に行う必要があります。許可料も同システム上で支払います。
なお、マレーシアへの食品の輸入に必要な書類は、次のとおりです。

  • 輸入申告書(K1フォーム)
  • インボイス
  • 梱包明細書(Packing List)
  • 船荷証券(B/L)または航空貨物運送状(Air Waybill:AWB、空輸の場合)
  • 輸入ライセンス(フォームJK69/必要であれば)
  • 特定原産地証明書(Certificate of Origin)(EPAの適用を受ける場合)
  • 荷渡し指図書(Delivery letter)
  • 製品説明書(Leaflet)もしくはカタログなどの書類
  • 衛生証明書

医薬品に関する輸入手続き

輸入ライセンス・卸売者ライセンスが発行された後、国立医薬品規制庁(NPRA)の担当官によって、輸入者または卸売者が現行の物流管理基準(Good Distribution Practice: GDP)要件を遵守しているかを確認するための査察が行われる場合があります。
医薬品の輸入に必要な書類は、次のとおりです。

  • 輸入申告書(K1フォーム)
  • 船荷証券(B/L)または航空貨物運送状(Air Waybill:AWB、空輸の場合)
  • インボイス
  • 梱包明細書(Packing List)

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2024年10月

マレーシアの空港や港湾で書類検査、現物検疫が行われ、不合格の場合は輸入が許可されません。

4. 販売許可手続き

調査時点:2024年10月

マレーシアの健康食品販売に関しては、販売店舗の形態に応じて外資企業に対する参入規制が存在します。国内取引・生活費省(The Ministry of Domestic Trade and Cost of Living:KPDN)は、2020年2月にさらなる規制緩和策を盛り込んだ「流通取引・サービスへの外国資本参入に関するガイドライン(Guidelines on Foreign Participation in the Distributive Trade Services Malaysia、MDTCCガイドライン)」を公表しました。百貨店、スーパーマーケット、スーパーストアなど小売店の種類に応じて外資企業の参入規制が定められています。
健康食品をマレーシア国内で販売する場合、日本企業を含めて外資が51%以上出資する企業は卸売・小売許可(WRTライセンス)を取得する必要があります。
WRTライセンスは国内取引・生活費省(KPDN)に申請します。
最低払込資本金は100万マレーシアリンギット以上が条件です。卸売業、小売業、フランチャイズ、直販、国内市場向けサプライヤー、国際貿易業者の現地代理人などを含む流通サービス業が対象となります。
WRTライセンスはBusiness Licensing Electronic Support System(BLESS)を通じてオンライン申請することができます。企業概要、ビジネスプラン、役員のリスト(会社委員会=SSM登記書の写し)、内国歳入庁(IRB)登録書の写しが必要です。
このほかマレーシア資本か外資かに関係なく、事務所や店舗を置く地方自治体(市、郡など)から、PBTとよばれる開業ライセンスを取得する必要があります。
WRTライセンスを申請する場合には、基本的に次の書類が必要です。

  • 会社の登記書
  • 会社委員会(CCM)における会社登録証明のフォーム49の写し。(フォーム49〜取締役リスト)このほか必要に応じてフォーム32A(株主構成の変更)の提出が必要です。

5. その他

調査時点:2024年10月

なし