WTO・他協定加盟状況
最終更新日:2024年03月14日
- 最近の制度変更
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2024年9月24日
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2024年9月17日
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2024年9月13日
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2024年8月27日
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2024年8月27日
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1995年1月1日の設立時からWTOに加盟。ただし、GATT加盟は1948年7月8日。二国間もしくは多国間の枠組みでは、各国との自由貿易協定・経済連携協定の締結を加速させており、日本との間でも日印包括的経済連携協定を2011年8月1日に締結、発効。
二国間協定
締結済み
- スリランカ(インド‐スリランカFTA)
2000年3月発効。関税引き下げ対象品目の分類は次のとおり。
- 基本関税を即時撤廃する品目
- 経過措置を取る品目(50%引き下げを実施した後、協定発効後3年以内に撤廃)
- クオータ制をとる品目
- 対象外品目(ネガティブリスト)
インド側は2005年3月時点で、ネガティブリスト以外の対象品目の引き下げスケジュールを完了。スリランカ側も2008年に完了。
インドとスリランカは、経済技術協力協定(Economic and Technological Cooperation Agreement:ETCA)の締結に向け、スリランカが作成したETCAのワーキングドラフトに基づき、交渉を続けている。しかし、スリランカの国内経済への影響を懸念し、ETCAの締結には至っていない。2018年8月にFTAの範囲にサービスおよび投資分野を含むことで、その対象品目を拡大するための交渉会合が行われた。なお、インド商工省は当該FTAの見直しを完了した。2023年10月、ETCAの第12回交渉ラウンドでは、物品・サービス貿易、原産地規則、技術的障壁、衛生植物検疫、紛争解決等が話し合われた。 - アフガニスタン(インド‐アフガニスタン特恵貿易協定:Preferential Trade Agreement:PTA)
2003年5月発効。対象品目(インド側38品目、アフガニスタン側8品目)に対し、50~100%の範囲で関税を引き下げる特恵関税を適用。主な対象品目は果実やスパイスなど。
- タイ(インド‐タイ枠組み協定:Framework Agreement with Thailand)
2006年、アーリーハーベストスキーム開始。指定された84品目について2006年9月に関税を撤廃。
物品貿易のみならず、サービス貿易や投資なども含んだFTA締結については、引き続き両国間での交渉が続けられている。計画されている関税引き下げから砂糖、ゴムガスケットの除外、繊維や石油化学製品の追加に関して交渉を続けている。
これまでに30回の交渉が行われ、2016年7月中旬にニューデリーで開催された会合において、両国が近々FTAの確定に向けた交渉を加速することで合意。
交渉の結果、両国間において枠組み協定が成立し、現在同協定に基づき交渉中。 - チリ(インド‐チリPTA:India-Chile Preferential Trade Agreement (PTA)(2.41MB))
2005年1月、経済協力枠組み協定を締結。同枠組み協定の下、2006年3月に特恵関税協定(ICPTA)を締結。
2016年9月6日には、両国がPTAの拡大に署名。最終的に、2017年5月16日に同拡大協定が発効。
PTAの第2の拡大を行うべく、2020年2月に1回目の交渉を実施。拡大についての交渉は続いており、今後決定がなされる見込み。 - シンガポール(インド‐シンガポール包括的経済協力協定/Comprehensive Economic Cooperation Agreement:CECA)
2005年8月1日発効。対象分野は、モノの貿易、サービス貿易、投資保護協力、二重課税防止、その他保険・教育・メディア・観光分野での協力。
インド側はHSコード・8桁レベルで506品目の関税を協定発効時に即時撤廃、2,202品目の関税についても、2009年6月に段階的撤廃が完了。2,407品目の関税も、2009年6月までに50%引き下げられた。
シンガポールは、インドからのすべての輸入品の関税を撤廃している。ただし、保護規定により、相手国からの輸入が国内産業に深刻な損害を与える/与える恐れがある場合には、関税をCECA締結時の最恵国待遇適用関税率に戻すことができる(CECA第2.9条)。加えて、両国は2007年12月、ネガティブリストに含まれていた機械類や化学品など539品目の関税を、2008年1月15日~2015年12月1日までの期間で段階的に撤廃、もしくは引き下げることで合意。
両国は2010年12月から同CECAの2回目の見直し協議を開始し、両国が当該CECAに関税引き下げの対象品目を拡大すること、「原産地規則」の緩和、「品目別規則」の合理化および「原産地証明書」にかかる規定とその検証に対する協力を含むことに合意するとして、2018年8月に結論に至った。改訂後のCECAは、2018年9月14日に発効した。2018年9月から貿易円滑化、電子商取引および関税について経済協力を深めるためにCECAの3回目の見直し協議が開始され、交渉が継続されている。
- ネパール(インド‐ネパール貿易協定(157KB))
2009年10月貿易協定を締結、発効。双方からの一次産品輸入に対し、関税が免除されている。さらにインドは、ネパールからの輸入品に対して30%の付加価値基準と関税コード・4桁変更を条件に関税を免除。インド政府は、4%の特別追加関税についても、条件付きで免除を決定。
同協定は、インドがネパールの産業振興を支援することが目的。なお、両国は、協定発効時に、協定の有効期間を7年間と設定し、その後は7年単位で自動更新することで合意。現在、インドはサービス貿易や投資を含めた包括的経済連携協定(Comprehensive Economic Partnership Agreement:CEPA)を提案。最近ネパールは、インドと多くの分野(ヘルスケア、教育、文化遺産、住宅、道路インフラ、芸能、輸送施設など)で、投資やサービス貿易に係る覚書を締結。
ネパールとインド両国の外交官を含む識者で構成するEPG(Eminent Persons Group)は、二国間のあらゆる課題について議論することで合意。2009年10月27日に締結された既存協定は、締結内容に変更なく、2016年10月27日から、さらに7年間延長することとなった。
両国は2018年4月に貿易投資の促進のため、貿易協定を見直すことに合意。2019年2月に会合が行われ、見直しが継続されている。2019年9月に二国間貿易に対する既存の障壁を取り除くため、3回目の会合を開始。さらに2024年1月に開催された会合で両国は、長期電力取引、コミュニティ開発、再生可能エネルギー開発、衛星打ち上げに関する4つの協定を締結。 - 韓国(インド‐韓国包括的経済連携協定:Comprehensive Economic Partnership Agreement:CEPA(8.1MB))
2010年1月発効。本協定で、韓国は93%、インドは75%の品目の関税を即時・段階的に撤廃。
現在、CEPAは改定見直し中。2018年7月、両国はCEPAに基づく共同声明を発表。ヨガおよびテコンドーに関するサービスの販売を可能にすること、一定の追加品目に対して関税引き下げ(韓国は17品目、インドは11品目)に合意。2022年1月、インドは対韓国貿易の貿易赤字解消を、韓国は対インド輸出における協定活用率の改善をそれぞれ目的として、CEPAに関する改定交渉の再開に合意。
- ブータン(インド‐ブータン貿易協定(11.5MB))
1972年に最初の貿易協定が調印され、5回の改定を経て、現在の貿易・通商・通関に関する協定は2016年に発効、10年間有効とされている。
一定の条件を満たせば、ブータンで製造・生産される特定の物をインドに輸入する際、またはインドで製造・生産される特定の物をブータンへ輸出する際に、関税が免除される。- 中央物品関税局通達(1996年7月23日付)(No.38/96-Cus.)
- 中央物品関税局通達(2006年7月4日付)(No.70/2006-CUSTOMS)
- 中央物品関税局通達(2012年6月14日付)(No.41 /2012-Customs)
- 中央物品関税局通達(2017年6月30日付)(No.43/2017-Customs)
両国の政府は、貿易に関して全面的な相互援助と協力を行うことで合意。この協定により、ブータンが他国(第三国)と貿易(輸入・輸出)をする際に、その輸出入品目がインドを経由する場合、インドにおいて免税通過対象(Duty free transit)になる。
現在の貿易協定は2016年7月に失効する予定であったが、両国は新たな協定ができるまでの間、既存協定の1年延長を決定。その後、2016年11月12日、新たな二国間貿易協定が署名された。
この二国間貿易協定は、貿易円滑化を通じて両国間の貿易の増加を目的とし、2017年7月29日から発効。 - バングラデシュ(インド‐バングラデシュ貿易協定(22.3KB))
2006年4月1日に署名、発効。両国間の貿易において、互いの水路・道路・鉄道の利用ができるようになった。
同協定は、2012年3月31日に失効することになっていたが、2015年6月に当該協定の有効期間を5年延長し、その後は5年単位で自動更新することを決定した。両国は貿易投資の促進のため、協定見直しの議論が続けられている。2018年10月に、両国が貿易および巡航での輸送のために、内陸および沿岸水路ネットワークの拡大について二国間協定を締結した。現在、両国に対する貿易上の恩典のため、インド‐バングラデシュ包括的経済連携協定(CEPA)の確定に取り組んでいる。 - マレーシア(インド‐マレーシア包括的経済協力協定(CECA)(77.1KB))
インド‐マレーシアCECAは、2011年2月18日に署名、2011年7月1日に発効。
ノーマルトラック1(NT1)とノーマルトラック2(NT2)に規定されたすべての品目の関税が撤廃され、センシティブトラック(ST)に規定されたすべての品目の関税が5%に引き下げられた。さらに、インド‐マレーシアCECA(IMCECA)により、マレーシアから輸入される規定品目に対する関税率の一層の引き下げや、HSコード関連の変更を反映させるため、中央物品関税局通達(No. 53/2011)を変更すべく、同通達(2019年9月4日付No.29/2019、および2019年12月31日付No.42/2019)を発行。
- 中央物品関税局通達(2011年7月1日付)(No. 53/2011-Customs)
- 中央物品関税局通達(2019年9月4日付)(No. 29/2019-Customs)
- 中央物品関税局通達(2019年12月31日付)(No. 42/2019-Customs)
- 中央物品関税局通達(2020年5月12日付)(No.22/2020-Customs)
- 日本(インド‐日本包括的経済連携協定(CEPA))
2011年2月署名、同年8月1日に発効。両国の貿易額のうち約94%に相当する品目の関税が10年以内に撤廃されることになった。
関税以外では、さらなる貿易の自由化や投資環境の改善、日本側での後発医薬品の承認審査の迅速化なども盛り込まれている。
最近、CEPAの見直しについて3回目の交渉が終了し、さまざまな課題(税制、最低輸入価格および鉄鋼製品に係る関税のセーフガード等)について議論された。インド‐日本CEPAに基づき、輸入される特定規定品目に適用される関税率が引き下げられた。中央物品関税局通達(No.69/2011)変更のため、同通達(2020年3月25日付No.17/2020(Customs))を発行。
- 中央物品関税局通達(2011年7月29日付)(No. 69/2011-Customs)
- 中央物品関税局通達(2019年3月28日付)(No.10/2019-Customs)
- 中央物品関税局通達(2020年3月25日付)(No.17/2020-Customs)
- アルゼンチン
1981年にインドとアルゼンチンは、両国間で輸出される様々な品目に対して関税上の恩恵を提供するために、自由貿易協定を締結した。その後、2009年10月に両国は輸出可能製品を特定することを目的とした技術サービスおよび商業的インテリジェンス研究の交換を通じて、貿易促進と技術移転にかかる覚書を締結した。当該協定は2年間有効で、その後2年単位で自動更新することとなる。
- アラブ首長国連邦(UAE)
2022年2月に包括的経済連携協定(CEPA)締結。インド・UAE両国間で取引される品目の80%近くについて関税を撤廃。関税以外の連携においても、知的財産権の保護をはじめ、米国、EU、英国、日本など先進国で承認済みのインド製医薬品がUAEでも自動的に承認、登録されるスキームの導入などで合意。
- オーストラリア(インド-オーストラリア経済協力貿易協定(ETCA))
2022年4月2日に署名、同年12月29日に、物品・サービス貿易の迅速な自由化を目的とした経済協力貿易協定(ECTA)が発効。これにより、インドの輸出額の96%超に相当する98%超の関税品目が即時無関税になり、残りの品目も5年間で段階的に関税ゼロとする。オーストラリアからインドへの輸入については、関税品目の40.3%について直ちに関税ゼロとし、30%については3年、5年、7年、10年と段階的に関税を撤廃または引下げとなる。
交渉中
- 中国(インド‐中国貿易協定(FTA))
2003年に二国間協定を見据えた共同研究グループ(JSG)を立ち上げ、同JSGの報告を踏まえ、合同タスクフォースを設置。2007年10月の第6回同タスクフォースで、貿易・投資を含む経済連携可能性調査レポートが作成された。
インド国内では、安価な中国製品が流入することへの警戒感や反発が産業界において強いのは事実だが、両国政府は、ワーキンググループを設置して、貿易経済関係の深化を模索していくことで合意。 - オーストラリア(インド‐オーストラリア貿易協定(FTA))
2006年3月、貿易・経済連携枠組み協定を締結。エネルギー、鉱業、インフラ開発、情報通信、観光・娯楽、繊維、農産品などの分野での協力関係構築で合意。
共同研究グループ(JSG)を立ち上げて、FTAの発効に向けて議論がされてきた。JSGによって、両国政府関係者が出席した会合が、2008年4月~2009年9月の間に4回開催され、可能性調査が行われた。JSGはCECAへのステップアップを提案し、2013年5月、CECA締結に向けた両国政府間での交渉が行われた。2016年前半に発効となる見通しであったが、2016年6月のオーストラリアの国政選挙のため延期になった。
当該FTA発効に向けた議論は続いており、インド商工省とオーストラリア外務省の相互協力の結果として、両国のFTAについて可能性調査レポートが公表されている。
2020年6月、両国は貿易に関する議論を再開させることに合意した。商工省:インド・オーストラリアのFTA可能性調査レポート(India and Australia Joint Free Trade Agreement Feasibility Study(1.52MB))
2020年12月にインド政府は、オーストラリアとインドが取り組むべき新型コロナ後の復興モデルを考慮し、幅広いセクターを対象とする「オーストラリア経済戦略」と題する報告書を発表した。オーストラリアも「2035年までのインド経済戦略」と題する同様の報告書を公表している。その後、2021年9月、両国は、物品・サービス貿易の迅速な自由化・深化を目的とした経済協力貿易協定(ECTA)を早期に締結し、これを基礎としてより野心的な交渉を目指し、CECA交渉を正式に再開した。
- ロシア(インド‐ロシア包括的経済協力協定(CECA))
2006年2月、両国間でCECAの締結の可能性を検討する共同研究グループ(JSG)を設立。同JSGでは、物品の貿易、サービス貿易、投資、経済協力などの影響や効果などを研究し、2007年7月に、両国政府に報告書を提出。
2013年2月、合同タスクフォースの第7回会合がニューデリーで開催。2014年12月には、FTAを締結するため両国間の交渉を開始することで合意。商工省:インド・ロシアの共同研究(Report of the India-Russia Joint Study Group(608KB))
近頃、ロシア、ベラルーシ、アルメニア、カザフスタン、キルギスで構成するユーラシア経済連合(EAEU)における自由貿易圏確立のためのプロセス立ち上げに向けた交渉が、両国間で開始された。
- イスラエル(インド‐イスラエル貿易協定(FTA))
2004年12月に、両国間の貿易協定締結に向けた交渉が開始され、共同研究グループ(JSG)を立ち上げて議論が続けられている。
2010年5月、第1回目の交渉がニューデリーで開催され、2013年11月、第8回目の交渉がイスラエルで行われた。
インドとイスラエルはFTAに署名していないが、2018年1月、両国がホメオパシー、映画製作、サイバーセキュリティを含む9つの両国間協定・覚書に署名した。
二国間貿易を強化するため、両国から自由貿易協定が提案されている。 - ペルー(インド‐ペルー貿易協定(FTA))
両国間でのFTA締結が提案され、二国間の政治、司法、人材育成、経済等の協力関係を強化するため共同委員会の立ち上げが合意、両国間覚書が調印された。
2015年1月15日に、貿易協定締結の可能性を探るために共同研究グループ(JSG)が設置された。2018年5月にはペルーで協議が開始され、両国が締結した再生可能エネルギーに関する協定は、2018年6月にインド内閣により承認された。2019年3月にリマで、サービス、投資と物品を含めたFTAに関する交渉会合が行われ、同年8月には貿易と投資の促進に向けた交渉会合が行われた。 - ニュージーランド(インド‐ニュージーランドCECA/FTA)
2007年4月、両国の商工大臣が出席する会合で、CECA/FTA締結の可能性を探るための共同研究グループ(JSG)立ち上げが決定された。
第1回目の公式交渉は2010年4月に開始され、JSG内でFTAの締結に向けた議論が進んでいたが、2015年2月にデリーで開催された第10回目の交渉ラウンド以降、正式な交渉は再開されていない。 - インドネシア(インド‐インドネシア包括的経済協力協定(CECA))
2005年11月、両国間でCEPA締結に向けた共同研究グループ(JSG)の立ち上げについて覚書(MOU)を締結。
2011年1月25日には、インドネシアの大統領がニューデリーを訪問し、交渉を開始。同年10月、インドネシアで会合が開催され、CEPA締結に向けた公式交渉を開始。
さらに、両国は、貿易投資フォーラムの設置ならびに貿易障壁の撤廃に向けたワーキンググループの設置にも合意。提案されたFTAの可能性調査について、共同研究レポートが公表された。
2018年1月、両国政府が貿易の促進を要請。
2019年6月に、両国の高官は貿易、投資、国防、海洋と宇宙の分野で協力を拡大する目的で会合を実施した。商工省:インド・インドネシアのFTA可能性調査レポート(Report of the Joint Study Group on the Feasibility of India-Indonesia CECA(1.14MB))
- カナダ(インド‐カナダ包括的経済連携協定(CEPA))
2009年11月、両国間でのCEPA締結の可能性調査に向けた共同研究グループ(JSG)を立ち上げることで合意。これまで9回の交渉が行われた。
2016年3月までにCEPAが締結される可能性があったが、両国間でいくつかの点で意見の相違があるため、締結は保留状態となっている。
2018年2月には、両国がCEPA最終化に関する交渉を強化することで合意した。 - パキスタン(インド‐パキスタン貿易協定(FTA))
インドとパキスタンとの貿易協定は存在しない。両国間では、貿易協定締結に向けた議論が2011年4月に開始された。
インドはパキスタンに最恵国待遇(MFN)ステータスを付与し、パキスタンは1,938品目のポジティブリスト方式(インドからパキスタン向けに輸出が可能な品目を規定)を改め、1,209品目のネガティブリスト方式(インドからパキスタン向けに輸出が不可能な品目を規定)に移行した。
同ネガティブリストには、インドが輸出に関心を持つ繊維製品、自動車部品、化学製品や医薬品などが含まれている。インドからの輸出が禁止されている具体的な品目リストは、パキスタン政府のウェブサイトにて参照可能。
なお、同ネガティブリストは、2012年内に撤廃の予定であったが、パキスタン政府のMFN供与決定の遅れに伴い、継続適用されている。パキスタン商業省:インドからの輸入禁止品目リスト "List of items not importable from India(2.57MB)"
2019年2月、インドはパキスタンとの政情不安を背景に、パキスタンに供与したMFNステータスを取り消し、パキスタンにて産出される品目に対して適用される関税を200%に引き上げた。
- セルビア‐モンテネグロ貿易・経済協力協定(TECA)
2006年2月に、両国の間でTECAに調印。二国間のIT、医薬、自動車部品の貿易促進を目的とする。
また、両国間の新たな貿易領域を模索するための合同経済委員会の設置も目指している。 - 英国
2022年1月にFTA交渉の開始を発表。インドは、皮革、繊維、宝石、加工農産物、海産物などの労働集約型分野の対英輸出の拡大や医薬品に関する相互認証協定(MRA)の締結を目指す一方、英国は自動車や各種機械・同部品、酒類など対印輸出の拡大やインド企業による更なる対インド投資に期待するとしている。
多国間協定
締結済み
- ASEAN(インド‐ASEAN貿易協定(FTA))
2003年10月、バリで包括的経済協力枠組み協定に調印。FTAによる関税の自由化・引き下げに関するスケジュールに基づき、関税について、段階的に2013年末と2016年末の2つの時点で自由化・引き下げを実施。
物品の貿易については、2008年8月、インド側489品目のネガティブリストを含む内容で合意し、2009年8月のインド‐ASEAN経済相会合で調印。2010年1月に発効。
2011年にフィリピン、カンボジアが批准を済ませ、10カ国すべての国と発効。一方、インドとASEANは、2012年12月20日、サービスと投資分野のFTA締結に合意。2014年9月にサービスと投資分野のFTAを最終的に締結し、2015年9月15日に発効した。FTAの見直しが開始されたが、この手続きは東アジア地域包括的経済連携(RCEP)が署名されるまで延期となった。
インド・ASEAN貿易協定に基づき、ASEAN加盟国は76.4%の品目についての関税を段階的に撤廃し、90%以上の品目の関税を自由化することに合意。インドとASEAN加盟国は、FTAの範囲見直しのため、2024年2月に会合を開始。2025年までの合意を目指す。
- 南米南部共同市場(メルコスール)(インド‐メルコスールPTA)
メルコスールは、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイの4カ国からなる関税同盟。2004年1月、特恵関税枠組み協定を締結。詳細ルールを定めた本協定を2005年3月に締結。2009年6月1日に発効。
インド側450品目、メルコスール側452品目の関税を10~100%の範囲内で引き下げる。
インド側引き下げ品目には、肉類・肉製品、有機・無機化学品、染料・塗料、皮革類・皮革製品、ウール、綿糸、ガラス・ガラス製品、鉄鋼製品、機械類、電気機械・部品、光学機器、写真・映画用機器等が含まれる。協定を再検討するための議論が続いている。最近の会合において、両者がPTAを拡大することを目指し、より多くの市場アクセスを実現すべく品目リストを交換した。2019年2月に、PTAの拡大について会合を実施。インドは2020年1月にインド‐メルコスールPTAの拡大についてブラジルと会合を行った。ブラジルとアルゼンチンの意見の相違で協議は停滞している。
- SAFTA(南アジア自由貿易地域)
2006年1月、南アジア地域協力連合(SARRC)諸国内で発効。
域内先進国(インド、パキスタン、スリランカ)は、2006年7月1日から2007年末までに関税を20%以下に引き下げ、その後2012年末までの5年間で0~5%に引き下げた(スリランカについてはさらに1年延長し、6年間で実施)。
域内後発開発途上国(バングラデシュ、ネパール、ブータン、モルディブ)は、2006年7月1日から2007年末までに、30%以下に引き下げた。さらに、当初、2016年末までの8年間で0~5%に引き下げる予定だったが、交渉が続いている。
関税譲許品目の拡大についても、議論が行われている。 - ベンガル湾多分野技術経済協力イニシアティブ(BIMSTEC)
2004年2月、BIMSTEC加盟国でFTA締結に向けた枠組み協定に合意。BIMSTECはベンガル湾を囲む国々(バングラデシュ、ブータン、インド、ミャンマー、ネパール、スリランカ、タイ)で構成され、ASEANとSAARCを橋渡しする存在として位置付けられている。
BIMSTECは、インドの「アクトイースト戦略」においても重要な位置付けであると考えられている。すでに19回にわたり、関税譲許、税関の協力関係の構築、サービスや投資の促進について交渉が行われている。2014年3月、第3回BIMSTECサミットがミャンマーで開催。2016年11月、インド・ゴアで開催されたBIMSTEC Leaders' Retreat 2016において、当該加盟国はBIMSTECにおけるFTAの早期締結を表明した。
貿易交渉委員会(TNC)およびワーキンググループにFTAの確定に関連する契約・書類作業を促進すること、また、TNCにサービスおよび投資に係る協定についての交渉を進めることを要請した。2017年8月、第4回BIMSTEC閣僚会合がネパールで開催され、BIMSTECにおける特定分野での協力活動について、進展および成果の見通しや、協力促進方法が議論された。
さらに、2018年1月にもニューデリーで会合が開かれ、BIMSTEC加盟国間における連携のスピードを加速するため、BIMSTECの狙いや役割について、更なる明確化の必要性が議論された。そうした考えから、加盟国の任務を記載した憲章(法的手段)を制定することが確認された。2018年8月にカトマンズで開催された会合は、7つの加盟国間のエネルギー協力を強化することを目的にしたBIMSTEC送電網接続の整備に関する覚書(MOU)の締結で閉幕した。さらに、農業技術交換、貿易と投資の促進、ブルー経済(経済活動を行うために海洋資源の使用)、観光、文化協力、人と人の交流等の分野での協力を含む18点からなるカトマンズ宣言のドラフトを満場一致衆議一決で採用した。
2021年4月1日に加盟国が集まり、BIMSTEC憲章案を最終的に完成させた。今後は、次回のBIMSTEC首脳会議での採択に向け、すべての加盟国が国内での手続きを行う見込み。
また、交通機関の接続に関するマスタープランや、刑事上の相互法的支援に関するBIMSTEC条約についても合意した。 - アジア太平洋貿易協定APTA(バンコク協定)
同協定は1975年に締結された。現在は、バングラデシュ、インド、中国、韓国、スリランカ、モンゴル、ラオスの7カ国間に適用。原産地基準の下、協定国からの特定品目に対して、特恵関税が適用される。
2006年8月に協定が改訂され、関税引き下げの対象品目が拡大された。さらに、非関税障壁の撤廃や原産地規則の改定などの交渉が行われている。2014年7月、アジア太平洋貿易協定(APTA)の常任委員会の第44回会合がバンコクで開催された。
2017年1月13日、タイ、バンコクで第50回アジア太平洋貿易協定(APTA)の常任委員会会合と、APTAの第4回閣僚会合が連続して開催された。これらの会合において、特恵関税対象品目は4,270品目から10,677品目に拡大することを決定した。当該決定は、2018年7月1日に発効。 - アフリカ
インドは、アンゴラ、ボツワナ、カメルーン、コートジボワール、ガーナ、リベリア、モーリシャス、モザンビーク、ナイジェリア、ルワンダ、セネガル、南アフリカ共和国、エスワティニ(旧スワジランド)、セーシェル、タンザニア、ウガンダ、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、ザンビアおよびジンバブエと貿易協定を締結した。
2008年4月に、インドはアフリカの33カ国からの輸入品目に対して特恵関税を適用する特恵関税免税スキームも発表した。当該スキームの対象となる国は、次のとおり。- アンゴラ
- ベナン
- ブルキナファソ
- ブルンジ
- 中央アフリカ
- チャド
- コモロ
- コンゴ民主共和国
- ジブチ
- 赤道ギニア
- エリトリア
- エチオピア
- ギニア
- ギニアビサウ
- ガンビア
- レソト
- リベリア
- マダガスカル
- マラウイ
- マリ
- モーリタニア
- モザンビーク
- ニジェール
- ルワンダ
- サントメプリンシペ
- セネガル
- シエラレオネ
- ソマリア
- スーダン
- トーゴ
- ウガンダ
- タンザニア
- ザンビア
交渉中
- 地域的な包括的経済連携(Regional Comprehensive Economic Partnership:RCEP)
2011年11月に開催された第19回ASEAN首脳会合において、ASEAN加盟国は、新たな自由貿易協定、RCEPを提案した。2012年11月にRCEP交渉開始式典が開催され、16カ国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジア、中国、日本、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド)の首脳が参加した。
しかし、2019年11月にタイで開かれた第3回RCEP首脳会合にて、インドは「未解決のまま残されている重大な課題がある」として妥結に難色を示した。共同声明では、RCEP参加国すべてが満足する形で、それら課題の解決に取り組むことで合意。インドの最終的な判断は、それら課題が満足のいく形で解決するかどうかに委ねる、とされた。そして、2020年11月15日に、RCEPはインド以外の15カ国で署名された。署名時の共同宣言文の付帯文書では、RCEP協定署名国は署名後にいつでもインドと交渉を開始できること、さらに、インドは加入に先立ちオブザーバーとしてRCEP会合に参加できることなどが定められた。 - 湾岸協力会議:GCC(インド‐GCC経済関係強化のための枠組み協定(FTA))
2004年8月に、経済関係強化のための枠組み協定を締結。同枠組み協定により、インドとGCCは貿易を自由化・拡大すること、また両者間のFTAの可能性に関する話し合いの開始を検討することになった。2006年と2008年に2回の交渉が行われ、その後中断していたが、2022年11月、交渉を再開することで合意している。
- SACU(インド‐南部アフリカ関税同盟PTAに向けた枠組み協定)FTA
SACUは南アフリカ、レソト、エスワティニ、ボツワナ、ナミビアの5カ国からなる関税同盟。2004年9月に、特恵貿易締結に向けた枠組みが共同作業グループにて合意。
2010年10月に第5回会合が、さらに2013年3月には第5回会合の第2部が開催され、交渉が継続されている。提案されているインドと5カ国の南部アフリカ関税同盟(SACU)の間の優先貿易協定は、ナミビアとインドが交渉を主導して2020年7月に議論を再開した。 - EU(インド‐EU・CECA)
2000年6月以降、包括的な貿易および投資協定の交渉に向けたインド・EU間のサミットが年1回程度開催されている。2007年6月以降、サービス貿易、ヒトの移動、知的財産、防衛など幅広い分野での政府間交渉がなされているが、交渉は難航していた。
2018年12月にはブリュッセルで両国の上級官僚が面会し、長らく停滞していたFTAの交渉を再開する可能性をはじめ、様々な課題について議論した。最も大きな論点は、ワイン、蒸留酒、自動車への市場アクセスおよび環境対策などであった。
2021年5月8日、インドとEUは、「バランスのとれた、意欲的で、包括的な、相互に有益な」貿易協定のための交渉を再開し、投資保護協定と地理的表示に関する協定の個別交渉を開始することに合意した。また、両者は規制面での協力やサプライチェーンに関する共同作業会を設置することにも合意した。 - EFTA(インド‐EU非加盟国:スイス、リヒテンシュタイン、アイスランド、ノルウェー)
EFTAの国々との二国間貿易や投資の促進のために、共同研究グループ(JSG)が2006年12月に発足。
EFTAとインドが、2017年9月18~21日にニューデリーで第17回会合を開催し、専門家作業グループによる物品取引、原産地規則、サービス取引、知的財産権の分野での議論再開を確認した。
- 自由貿易協定、関税同盟、特恵貿易協定、その他の貿易協定
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ジェトロ:世界のFTAデータベース